朱戸アオさんの漫画「インハンド」がドラマ化とともに話題になっています。

主人公が医学士と今までにない物語ですが、インハンドの医療監修はどこの病院・医師が行っているのでしょうか。

物語上の感染症や病気は日常では聞かない単語であり、フィクションかどうか気になりますね。

今回はインハンドの医療監修や感染症、病気について深堀りしてみました。

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インハンド 原作の医療監修

原作は「ヨシザワアキラ」が担当

インハンドの医療監修ですが、原作漫画ではヨシザワアキラさんが務めています。

原作者であり漫画家の朱戸アオさんが、公式ブログ「朱戸のつめあわせ」で明らかにしていますね。

インハンドの物語を構成するにあたり、朱戸さんとヨシザワさんは二人三脚で取り組まれていたようです。

ヨシザワさんと目黒の寄生虫博物館に行ったり、熱帯植物園にいったり、厚労省に行って写真を撮っていたら警備員さんに怒られたりしながらキャラクターのイメージを固めました。

ヨシザワさんは日本語の文献が少ない中とても丁寧にシャーガス病について調べてくれました。

さらに、ヨシザワさんはブラジルの製薬会社にメールをするなど、薬の製造状況について細かくヒアリングもされており、熱心に活動をされています。

詳細は後述しますが、インハンドの原作では普段では絶対に聞かないような症状や病名が出てきており、細かく、かつ、わかりやすく説明がなされています。

漫画「Final Phase」にも参画

ヨシザワさんが朱戸さんとタッグを組まれるのは、インハンドで二度目になります。

2011年12月発売の朱戸さん漫画「Final Phase」でヨシザワさんが医療監修をされています。

「Final Phase」も医療漫画で「都心の湾岸地区にウイルスの猛威が襲い掛かる」パンデミック系な要素が強いですね。

内容もかなりリアルでAmazonのレビューでも5点満点中4.5点の好評です。

レビューの内容でも、

舞台の程良いスケール感やキャラクターによるエンタメ漫画としての出来の良さ、科学的な論拠や説明の確かさで、パンデミック漫画としては現代でも指折りの良作になってる思います。

大人向けの漫画としては普通に面白い漫画ですが、科学的な漫画、医療の漫画、女医さんやメガネ学者が好きなら損はしないと思いますよ。

医療面でもかなり正確に描かれているようです。

今回のインハンドでも同様、緻密に医療監修をされており、ドラマ化を機会に医療関係者からも注目を浴びるかもしれません。

インハンド ドラマの医療監修

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医療監修がない?

医療ドラマでは執刀シーンがある「外科医」をメインに描くことが多く、医療監修では手技の指導や症例のチェックなどを行います。

インハンドの主人公・紐倉哲は医学士であり、科学者の要素が非常に強く、直接的な医療シーンがほぼないことがわかります。

原作を読んでも主人公の紐倉は知識や見解を披露する場面は多いですが、「医者」と活動はしていません。

話の内容については原作の時点でヨシザワさんが監修をされているため、今回はそれをテレビの基準に合わせて放送すればことが足りる可能性もあります。

しかし、医学系の内容は非常にデリケートなため、監修なしで放送されることはまずあり得ません。

現在のTBSの公式サイトの「出演者&スタッフ」という欄を見ても、医療監修や取材協力の記述はありませんが、これから明らかになっていくでしょう。

医療ドラマ 医療監修まとめ

インハンドのドラマでは医療監修は明らかになっていませんが、過去の医療ドラマでは大学付属病院の医者などが監修しています。

一人ではなく複数人で監修して、間違いのない正確な演出をしていると予想されます。

人気ドラマの多くが「外科医」。

華麗な手技で患者を治療していくシーンがテレビ映えするからだと思います。

ドラマ放送時期医療監修
取材協力
診療科
医龍2006年須磨久善(心臓血管研究所付属病院)外科医
チーム・バチスタの栄光2008年須磨久善(財団法人心臓血管研究所 スーパーバイザー)他1名外科医
コード・ブルー2008年益子邦洋(日本医科大学千葉北総病院 救命救急センター)他2名外科医
JI-仁-2009年冨田泰彦(杏林大学医学教育学教室講師)他2名外科医
ドクターX2012年森田豊(医療ジャーナリスト)
外科医
コウノドリ2015年荻田和秀(りんくう総合医療センター・産婦人科)他2名産婦人科医
フラジャイル2016年長谷川匡((札幌医科大学附属病院病理診断科)病理医
アンナチュラル2018年鵜沼香奈(東京医科歯科大学)他1名法医解剖医
ブラックペアン2018年下川智樹(帝京大学医学部附属病院)他3名外科医

インハンド 感染症と病名

インハンドでは寄生虫をテーマにしており、普段ではあまり聞いたことがない感染症や病名が登場します。

医療監修もされており、一部は現実でも発症しうる可能性もあるそうです。

物語では感染者や周囲の人間の様子がリアルに描かれており、当たり前ですが、絶対にかかりたくない病気ばかりです。

シャーガス病

原作では「プロローグ1 ネメシスの杖」で登場します。

日本では珍しい病気であり、原作では犯人が復讐のために意図的に病原菌を生成していました。

シャーガス病とは?
寄生原虫のクルーズトリパノソーマを病原体とし、ラテンアメリカやカリブ諸国で蔓延するサシガメという昆虫に媒介されて感染する病気です。

感染後発症しない場合もあるため「沈黙の病気」とも呼ばれていますが、放置していると突然死に至ることもあります。

流行地はラテンアメリカで、感染者は600〜700万人と推定されています。
(atm.eisai.co.jp)

シャーガス病の症状は、肝臓、脾臓の腫脹や心筋炎、心肥大(心臓の破裂)、脳脊髄炎、心臓障害と死に直結します。

残念なことに明確な治療方法が少ないのが現実です。

ニフルチモックスとベンズニダゾール等が用いられるが、トリパノソーマ・クルージ殺傷効果しかなく、これらの薬剤に感染臓器の回復効果はまったくない。
(wikipedia)

原作では、急性期にニフルチモックスをガンガン投与する、と紐倉が解説しています。

シャーガス病はすぐに重度に有症化するわけではなく、長い人で15年ほどかかるようです。

原作では加害者に近いグループの人間がシャーガス病の寄生虫に犯されますが、自らの悪事を暴かれたくないために、病院にも行かずに放置するのです。

主人公の紐倉が以下のセリフで解説しています。

シャーガス病の急性期の死亡率は5%に満たない。

彼らは計算した。

シャーガス病で15年後、20年後に死ぬのと、今、社会的地位を失うのとどちらか良いか。

犬の東洋眼虫

「プロローグ1 ネメシスの杖」では、紐倉に捜査に協力してほしい阿里玲が、研究所で東洋眼虫を含んだ犬を見せるシーンがあります。

「犬の目の中で元気に動いていますよ!この東洋眼虫に免じて、調査に協力していただけないでしょうか。」

と依頼するのです。

東洋眼虫とは?
ヒト、イヌ、ネコなどに眼虫症を引き起こす寄生性線虫である。

成虫は体長11~15mm、体幅0.33mmの白色の線虫。

中華人民共和国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、大韓民国、オランダ、ロシア、スイス、台湾、タイ王国に分布している。

人間の症例は国内では100例ほどと少ないようで、犬などの動物を中心に発症するようです。

症状は結膜炎、涙、視野不良、角膜の潰瘍や瘢痕。

原作では、阿里がその犬の東洋眼虫を綺麗に取り除き、事なきを得ます。

一方で紐倉は東洋眼虫を見て「美しい!なんて優雅なんだ」と話しており、変人っぷりが表現されています。

ちなみに、この阿里が東洋眼虫を取り除いた犬は、そのまま「テラジア」(東洋眼虫の分類)と名付けられ、紐倉と一緒に暮らすようになります。

TARS(コロナウイルス)

TARSは「プロローグ2 ネメシスの杖」の第1話「デュオニュソスの冠」で出てきます。

原作ではSARS、MERSに続いて、新たに出現した発症生の高いコロナウイルスとされています。

コロナウイルスとは?
風邪などの呼吸器感染症を起こすウイルス。

名称は、表面に花弁状の突起があり、太陽のコロナのように見えることから。

飛沫感染や接触感染で伝播し、通常は、軽度から中等度の呼吸器症状を起こすが、SARSコロナウイルスやMERSコロナウイルスのように重症化するものもある。
(kotobank.jp)

明確な薬や治療方法がなく、世界中での感染事例も極めて稀なものです。

原作の「TARS」はネットを探しても日本国内に持ち込まれたことはなく、まだ世に存在していないフィクションのウイルスだと思われます。

物語上で、

WHOの統計では死者726名、感染者5千名。

発症源は東南アジアとされており、現在厚労省がTRAS日本上陸阻止のため総力をあげて・・・・

と、記載がありますが、ここまで危険なウイルスであれば日本の文献のどこかに掲載されているでしょう。。

症状は死に追いやられるほどであり、紐倉の助手・高家春馬のいとこがこのウイルスにかかり死亡しています。

幸か不幸か、1話「デュオニュソスの冠」で高家春馬が紐倉の助手になるのは、TARSがきっかけになるのです。

まとめ

今回はインハンドの医療監修、感染症・病気について深堀してみました。

医療監修は原作では、朱戸さんと二度目のタッグを組む、ヨシザワさん。

ドラマではまだ未公表のため、これからも調べていきます。

監修をもとに物語に出てくる病気も怖いものですが、紐倉たちがどう解決していくかは見所ですね。

以上となります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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