ドラマ「インハンド」の放送で「シャーガス病」という感染症が出てきますね。

 
あまり耳にしない病名ですが、普段の生活で発症するのでしょうか。

 
他にも治療方法や発症事例が気になりますね。

 
今回は、インハンドで出てきたシャーガス病について深堀りしてみました。
 
 

 

インハンドのシャーガス病とは?

感染の原因

シャーガス病とは?
寄生原虫のクルーズ・トリパノソーマを病原体とし、ラテンアメリカやカリブ諸国で蔓延するサシガメという昆虫に媒介されて感染する病気です。

感染後発症しない場合もあるため「沈黙の病気」とも呼ばれていますが、放置していると突然死に至ることもあります。

流行地はラテンアメリカで、感染者は600〜700万人と推定されています。
(atm.eisai.co.jp)

 
シャーガス病は病名であり、原因はクルーズ・トリパノソーマという寄生原虫にあります。

 
媒介するのはサシガメという吸血性昆虫で、刺されるだけでは感染はしません。

 
感染の原因は、サシガメは刺して養分を吸い取った後に残す「クルーズ・トリパノソーマ入りの糞」にあります。

 
人間がサシガメに刺された後に皮膚をこすったり、触ってしまうと、自然と刺された傷口から糞が体内に刷り込まれてしまい、シャーガス病へ発展していきます。

 
あるいは、糞を触った手で目をこすったりしても、クルーズ・トリパノソーマが目から入っていきます。

 
注意すべき点は、サシガメ自体が脅威ではなく、サシガメが摂取するクルーズ・トリパノソーマという寄生虫にある点です。

 
原作では主人公・紐倉哲がサシガメを腕に乗せ、「大丈夫、こいつはトリパノソーマに原虫に感染してないから」という記述もありますね。

 

シャーガス病の症状
シャーガス病は体内にトリパノソーマを含み、すぐには発症しません。

一部の人には目が腫れたり等ありますが、ほとんどの感染者は無症状で感染していきます。

そして、10年以上の歳月を経て、拡張型心筋症、、心肥大(心臓の破裂)、脳脊髄炎、心臓障害等の重度の症状が現れます。

有症化の割合は3〜4割程度であり、重度な症状になる確率は1割程度のようです。

 

「顧みられない病気」

シャーガス病はいわゆる「顧みられない病気」の一種です。

 

顧みられない病気とは?
熱帯地域、貧困層を中心に蔓延している寄生虫、細菌感染症のことで、世界中で10億人以上が貧しい生活を余儀なくされ、健康な数百人以上が生活を脅かされている。

これらの感染症は個人の貧困な状況を長引かせ、蔓延させるだけでなく、これら地域社会の貧困もまた悪化させ、長期化させる。
(tm.nagasaki-u.ac.jp)

 
シャーガス病は中南米を中心に800万人が感染しているといわれており、毎年1万2,000人が命を落としている非常に危険な病気なのです。

 
WHOからの画像を引用しますが、赤い部分が南米に固まっていますね。

 

https://www.who.int/en/

 
しかしながら、仮に先進国の人間が中年米へ行ったとしても、土壁や森林内で済むような場所で発症することがほとんどであり、一般的な旅行者が発症することはありません。

 
患者の総数は多いものの、調査や研究のリスクが高いだけでなく、高額な研究費用もかかるため、製薬会社が積極的に動かない背景があります。

 

シャーガス病 日本での発症事例

 
シャーガス病は日本で発症する可能性はあるのでしょうか。

 
過去の事例を振り返ると、日本に出稼ぎに来た中南米人が無自覚で国内にて発症しているケースがあるようです。

 

南米の日系人コミュニティのシャーガス病感染率で計算すれば、2万人以上の感染者がいるとみることもできる。

心疾患で医療機関で診察を受けた45人の南米出身者を対象にした検査では、うち6人の末梢血液からクルーズ・トリパノソーマが見つかっている。

ちなみに2月にもブラジルからの移民が日本国内で、シャーガス病で死亡しています。

 
発症まで時間がかかるシャーガス病のため、母国で奇声原虫をもらい、潜伏期間を経て日本で発症というパターンです。

 
実際、研究を重ねている方のデータを見ていくと、1999年〜2006年に検査した中南米出身の在日日系人29人の内12人(41.38%)からシャーガス病病原体の陽性反応が出たといいます。

 
日本ではまだ発症した事例はないですが、隣国の中国に関しては2016年11月に広東省内の家屋で媒介昆虫のサシガメ(生きているオス・メスの死がい)が採取されています。

 
日本には現在、マダニが媒介する感染症が中国から運ばれてきたという話もあり、サシガメが流入されてしまう可能性も十分にあり得るのです。

 
そして、夏は猛暑になり、冬も比較的暖かさが残る日本では、サシガメが定着する可能性もあるようです。

 
日系中南米人の出稼ぎ労働者も非常に多いため、無自覚で日本で出稼ぎに来て、国内でジワジワと広がっていく可能性も否定できません。

 
インハンドでは、犯人の江里口がサシガメを大量に確保した後、意図的にトリパノソーマを生成して液体状にしていました。

 
物語だから良いですが、実際に起こったらどんでもない事態になりそうです。

 

シャーガス病 治療方法

インハンドでは、紐倉が「急性期にガンガン投薬してトリパノソーマを殺すことだ」と話していますね。

 
さらに、「70代から2種類しかなく、ベンズニダゾールとニフルチモックス」と続けています。

 
しかし、現実的に日本ではシャーガス病を治療する方法が確立されておらず、薬も国内にはないようです。

 

感染者しては、なるべく早期に治療薬を投与する必要がありますが、日本国内には常備されていない。

感染が確認されてから医療機関などを通じWHOから取り寄せることになるのですが、発注から届くまで、手続きを含めて約3か月かかるというのが現状です

 

まとめ

インハンドで取り上げられた、シャーガス病について調べてみました。

 
日本ではまだ大きな問題にはなっていませんが、潜伏期間が長く、非常に強い病気ですね。

 
インハンドがドラマ放送されることで、このような病気が世に認知されていくのは非常に良いことだと思います。

 
 

以上となります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
 
 

 

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