2017年8月26日に公開された映画「関ヶ原」。
今作では有村架純さんが時代劇に初挑戦であり、初芽役に抜擢されています。
映画「関ヶ原」は、司馬遼太郎さんの同タイトルを原作にしており、実話をモチーフにしたフィクションです。
歴史上の人物に「初芽」という女性は実在するのでしょうか。
今回は、映画「関ヶ原」の初芽について深堀りをしていきます。
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【映画】関ヶ原で初芽は実在する?
映画「関ケ原」見た。原作とは違って石田三成に命を救われて彼に使えることになった伊賀の忍び初芽がラストで処刑場に曳かれる三成を見つめるシーン。印象的でした。殺陣とかあって最初の方では「戦闘マシーン」的で有村架純感なかったけど、三成の愛情に気づいてからは。。 pic.twitter.com/7yMlSQ26gZ
— KKMMM (@KkmmmGurkha) June 23, 2018
映画「関ヶ原」で登場する、初芽。
原作では徳川家康が政敵である石田三成に送り込んだ間者(=敵方の様子を探る者)として登場します。
しかし、映画では原作の武家の「間者」という設定が変更、伊賀「忍び」として殺陣もこなしています。
映画では初芽として登場していますが、正確には初芽局(はつめのつぼね)という名前です。
結論からいうと、初芽(初芽局)は実在の人物ではありません。
司馬遼太郎さんの原作から架空の人物として描かれており、映画でもそのキャラクターがそのまま踏襲されているのです。
どこかの対談で、司馬先生ご自身が全くの架空とおっしゃっています。
なので、モデルは、存在しません。
原作では初芽が石田三成に惚れただけではなく、三成もまた彼女を愛したように描かれており、関ヶ原の戦い後は出家しています。
ただ、石田三成には、「うた」と呼ばれる正室(妻)が存在しており、最終的には愛妾としての立場になるのでしょう。
歴史好きの一部からは実在したという説もあり、最後は裏切りに怒りを感じた徳川家康が殺害したともいわれています。
しかし、実際に文献などで描写がされていない人物であり、実在していないのが有力でしょう。
初芽という女性は、堺屋太一さんの小説「大いなる企て」でも登場しています。(この小説でも架空の人物です)
原作「関ヶ原」では間者としての登場ですが、「大いなる企て」では石田三成の純粋な愛妾として描かれており、作中での役割には若干バラつきがあります。
また、時系列では「関ヶ原」→「大いなる企て」となります。
最近ではパズドラや戦国武将姫MURAMASAというゲームでもキャラクター化されており、そこでは女忍者のイメージでイラストされています。
以上のように、小説・映画・ゲームなどでしばしば登場するため、実在した人物のように思えますが、司馬さんが架空で作り上げた人物です。
【映画】関ヶ原で初芽のモデル・元ネタの歴史上人物は?
[the_ad id="5494"]フィクション上の人物であることは上記の通りです。
日本史の中でモデルや元ネタになる人物はいたのでしょうか。
結論からいうと、初芽のモデルや元ネタの存在はいません。
原作者の司馬さんから「〇〇をモチーフにした」などの言葉はなく、完全なるフィクションの存在です。
また、映画「関ヶ原」では初芽の設定が変更されており、伊賀の忍びとされています。
原作でも映画でも初芽という人物はいませんが、伊賀忍びは歴史上で語られた存在です。
その点、映画では原作より歴史に寄せていると思います。
女性で伊賀の忍びとは、いわゆる「くノ一」があげられます。
女性の忍者のイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。
ただ、実在したくノ一は男忍者のように破壊工作や暗殺などは積極的に行わず、情報収集を行うためのスパイとして敵の屋敷や城に潜り込み活躍したと伝えられています。
漫画や小説でのくノ一は、女性らしさをアピールした色仕掛けで男性に近寄り、相手を翻弄しながら情報を引き出すように描かれますが、実際には違ったそうです。
巫女として全国に配置されたり、下女・女中として下働きをしたりと、可能な限り目立たないようにして活動をしていたそうです。
歴史上で有名なくノ一では、望月千代女が挙げられるでしょう。
望月千代女は、甲斐の国の大名・武田信玄の甥の妻。
若くして夫を亡くしたところを、信玄により信玄にくノ一としての腕を見込まれて、この道に進んだそうです。
周囲と溶け込みながら諜報員の活動をしており、周囲からの信頼も厚い存在であり、疑われることは少なかったそうです。
さて、話を戻すと、映画の初芽に関しては、
・具体的なモデルや元ネタはいない
・「伊賀の忍び」(=くノ一)という設定は歴史を踏襲
・しかし、実際の「伊賀の忍び」は戦闘よりも情報収集の役割が多かった
という、架空と歴史の間の存在になります。
そもそも、あの時代に小さな女性が剣を学び、戦闘を行うのはかなり無理があります。
完全なフィクションとして、面白く見ていくのが良いでしょう。
初芽をフィクションで登場させた理由は?
では、なぜ司馬遼太郎さんは、架空の人物・初芽を登場させたのでしょうか。
これはひとえに、石田三成の人間的な部分を描きたかったからだと思います。
いつの時代でも男女間で恋心を抱くことは不変な内容であり、戦闘で気を張った石田三成が少しでもリラックスした部分を描くことで、ストーリーに緩急をつけていたのでしょう。
男性しかいない武士の世界だと常に緊迫感が描かれてしまうので、ワンクッションおける登場人物が必要だったのだと思われます。
映画でも、原作と設定こそ違えど、石田三成と初芽が心を通わせていく展開になっています。
歴史映画に恋愛は必要かという意見(↓)もありますが、原作にも描かれており、また、一定の鑑賞者を誘導するためにもこのような演出は必要だったのでしょう。
関ヶ原は忍びとの謎の恋愛が無ければいい映画だった
— もれれ (@BM_BlancMegere) May 26, 2019
映画「関ヶ原」を観た。おもしろかったけど、あまりに台詞が聞き取れないので、途中で日本語字幕つきにして、人物相関図を手元に置いての鑑賞。劇場で見ていたら、ついていけなかったと思う。役所広司の家康、岡田准一の三成、東出昌大の秀秋が印象的だった。しかし恋愛要素は無いほうがよかったな。
— shimatoneriko (@saikoropon) February 14, 2018
有村架純さんが演じた、初芽についてもっと詳しく知りたい人はこちらもどうぞ。
まとめ
今回は、
●【映画】関ヶ原で初芽は実在する?
●【映画】関ヶ原で初芽のモデル・元ネタの歴史上人物は?
●初芽をフィクションで登場させた理由は?
これらについてまとめました。
以上となります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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