今回は、「容疑者室井慎次で観覧車の老人の正体は?役職や辞表を促した理由についても!」というテーマについてお話します。
2005年8月27日に公開された映画「容疑者室井慎次」。
「踊る」シリーズのスピンオフ作品第2弾であり、興行収入38.3億円の大ヒットを記録しました。
作中では、室井慎次(柳葉敏郎)に対して、観覧車の中で辞表を提出ことを求めた老人がいました。
「踊る」シリーズで初登場であり、どんな人物なのか正体が気になりなるという人も多いのではないでしょうか。。
そこで今回は、映画「容疑者室井慎次」に登場する、観覧車の老人について深掘りをしていきます。
というわけで、容疑者室井慎次で観覧車の老人の正体は?役職や辞表を促した理由についても!スタートです!
この記事の目次
映画「容疑者室井慎次」の概要
映画『容疑者室井慎次』は、2005年8月27日に公開されたTVドラマシリーズ『踊る大捜査線』シリーズの劇場版シリーズ作品であるサスペンス映画となっています。
2005年5月に公開された『交渉人 真下正義』の後日談を描いた内容で、劇中では頼れる上司であった室井が警察署内で起きた殺人事件を捜査していたところ、特別公務員暴行陵虐罪の疑いをかけられて逮捕されてしまうという衝撃的な内容となっています。
映画「容疑者室井慎次」観覧車の老人の正体は?
それでは、映画「容疑者室井慎次」に登場した、観覧車の老人とは一体誰だったのでしょうか。
ここでは、
・役名と役職
・辞表を書くよう伝えた理由
・演じている俳優
この3店について記載していきます。
役名と役職
観覧車に室井慎二と共に乗っていた老人は、「深江功太郎」という人物です。
深江功太郎は劇中に室井とともに観覧車に乗り、そこで室井に警察を辞めるように促します。
「踊る」シリーズでは全作品を通して、当シーンのみの登場です。
深江は元・警察庁長官であり、その後政界に身を投じて副総理まで務めている経歴を持ちます。
「容疑者室井慎次」の作中では、民自党相談役についており、警察庁長官と副総理の2つの役職を担ったことから、元政治家・後藤田正晴さんがモデルの人物だと噂されています。
しかしながら、公式には後藤田さんの名前は出ていないため、モデルについては噂程度に留めておくのがベターといえるでしょう。
辞表を書くよう伝えた理由
作中では、深江は室井に対して、辞表を書くように促しています。
普通に考えれば、警視正(当時)の室井に対して、元警察庁長官が辞表を書くように伝えるのは非現実的とみたほうがいいでしょう。
というのも、ここまで偉すぎる人が、いち警視正と顔を付き合わせて話すこと自体がありえないからです。
観覧車での会話で、深江が「君が室井くんか」と切り出しているため、これが初対面だとわかります。
それでも深江が直々に室井に対して辞職を促したのは、下記3つの理由でしょう。
・警察庁と警視庁の対立の根が深い
・深江にも匿名の手紙が届いた
・事の大きさを表現した演出
これらについては、次の項目で深く解説していきますので、お楽しみください。
演じている俳優
深江を演じているのは、高橋昌也さんです。
高橋さんは東京都出身で1930年3月16日生まれの俳優です。
2014年1月16日、呼吸不全により死去(83歳没)されています。
●高橋昌也さん 若い頃の写真
高橋昌也 #役者 pic.twitter.com/ktgERhsWcE
— あの時君は若かった (@wakakataanokimi) June 1, 2019
●プロフィール
名前 | 高橋昌也 |
---|---|
読み方 | たかはし まさや |
生年月日 | 1930年3月16日 |
没年月日 | 2014年1月16日(83歳没) |
出生 | 東京都 |
職業 | 俳優、演出家 |
1953年に俳優座公演「襤褸(ぼろ)と宝石」の主役で初舞台にあがります。
以降は、小沢昭一さんらと劇団新人会を設立。
その後に劇団四季、文学座などを経て、1975年に演劇集団円の設立に参加して、演技と演出で活躍を果たします。
1960〜1980年代と長きに渡り活躍された俳優であり、数多くのテレビドラマや映画に出演されています。
後年は温厚な好々爺というイメージの強かった高橋さんですが、この頃は保守的な父親や悪徳企業の社長役などで複数の作品に貢献していました。
1990年代は銀座セゾン劇場にて、黒柳徹子さん主演舞台・海外コメディシリーズの演出を手がけていました。
2001年には『ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃』で主人公に協力する老人を演じていました。
2004年度には映画「透光の樹」で日本映画批評家大賞助演男優賞を受賞しています。
このように、00年代までは複数の作品に出演されていましたが、2014年にはお亡くなりになられてしまいました。
●テレビドラマ
・北の国から(2002年)
・Mother(2010年)
・月の恋人〜Moon Lovers〜(2010年)
●映画
・ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃
・メゾン・ド・ヒミコ
・リターナー
映画「容疑者室井慎次」観覧車の老人が辞表を促した理由は?
深江ほど偉い人物が、なぜ室井に対して辞表を書くように促したのでしょうか。
理由については上記で述べたましたが、それぞれの項目について深掘りしていきます。
警察庁と警視庁の対立の根が深い
一つ目の理由は映画「容疑者室井慎次」のプロットの一つである、「警察庁vs検察庁」の構図のためではないかとされています。。
作中では、池神警察庁次長(津嘉山正種)と安住警視庁副総監(大和田伸也)の間で次期警察庁長官の座を巡る醜い派閥争いが行われていました。
室井は当時は警視庁刑事部捜査第一課管理官です。
警察庁は(警視庁の不祥事のため)早く操作を終わらせるよう促し、一方、警視庁は事件捜査を継続して真実を突き止めたい(=潔白を証明したい)というが真相とされています。
もともと派閥争いで対立して構図に、室井の事件でさらに拍車がかかってしまいました。
そこで、流石にここまで溝が深くなると業務上にも影響が出てしまい、らちが明かないため、「元・警察庁長官・副総理・民自党相談役」という政治力、権力を持つフィクサーの深江が、溝を深くする要因になる室井に辞表を促しにきたことがわかります。
室井が警察を辞めれば、警視庁もメンツをかけて捜査をしようとはならず、警察庁も事件が片付くという双方にメリットがあるので、そうさせたのでしょう。
また、元警察庁長官の深江が直々に室井と話したのであれば、後から池神警察庁次長と安住警視庁副総監が争うのは深江の顔に泥を塗ることになり(=警察庁長官への道が遠のく)、2つの組織間抗争もおさまると判断したからだと思われます。
ただ、現実の世界では、警察庁次長と警視庁副総監が警察庁長官のポストを争うことはありません。
警察全体の序列では、警察庁長官(1番)、警視総監(2番)、警察庁次長(3番)であり、警視庁副総監は10番目と序列が下になり、二人の間には4〜9番目の人材がいるためであるとされています。
また、警察庁と警視庁の対立という本作のプロットについてですが、本作以外にも様々な刑事ドラマで引用されているテーマですが、ほぼ間違いなく起きえないといえるでしょう。
というのも、警視庁はあくまで東京の管轄下であり、警察庁はその警視庁の下部組織という位置づけになるためです。
さらにいっておくと、踊る大捜査線のコンセプトを根本から否定するかもしれませんが、警察内において「キャリアvsノンキャリア」の対立構図もほぼほぼあり得ないのが現実であるといえるでしょう。
こういったプロットは主に海外のアクション映画や刑事ドラマなどで描かれる「FBIvs地元警察」の対立の構図がそのまま引用されていびつにつたわっていることが原因とされています。
深江にも匿名の手紙が届いた
また、作中では匿名のファックスが警察にも流されていました。
灰島弁護士の仕業だと思われますが、これは深江も持っており「私の所にも届いた」と話しています。
そのため、2つの組織の対立以外にも、自分の所にも届いたため、何とかしなくてはという気持ちが湧いたのでしょう。
映画内で行われていないですが、「観覧車」のシーンまでの流れは下記だと予想されます。
謎のファックスが警察へ流れる
↓
警察上層部は混乱
↓
新庄が進んで自体の解決をはかる
↓
深江にもファックスが届いたことが判明
↓
深江ないし警察上層部から室井を辞めさそうと運動
↓
警察上層部からリストラ宣言はできないため、深江が名乗り出た
このような流れでしょう。
新庄が深江に頼んだとう意見もありますが、新庄は内心では室井の辞職に反対の立場であり、つなぎ役としてあの場にいたのだと思われます。
深江も警察庁と警視庁の対立だけであればここまでしなかったかもしれません。
ただ、流石に自分の所にも文書が届いており、後々に問題になった際に「知りませんでした」と言う訳にもいかず、自らが動いて終わりにしようと悟ったからでしょう。
事の大きさを表現した演出
最後は「踊る」スタッフによる演出上の都合です。
観た人ならわかると思いますが、
・今まで出演していない老人
・めっちゃ偉そうな雰囲気
・田舎の観覧車という誰もいない場所
明らかに不審な要素が重なっています。
「あっ・・・これは室井、最終通告じゃないの」と思う人は多かったと思います。
単純に上官からの「辞職しろ!!」言葉であれば、「踊る」特有の対権力で突っぱねる事ができたかもしれませんが、偉いフィクサーから「辞めて」と言われるとマジでヤバイ雰囲気があることがだれにでもわかると思われます。
室井さんが子供に見えるほどの相手であり、そんな人から通告をさせる事で、室井が非常にピンチであることを演出上わからせる必要があったのだと考えられます。
まとめ
今回は、「容疑者室井慎次で観覧車の老人の正体は?役職や辞表を促した理由についても!」というテーマについてお話しました。
今回わかった内容をまとめると、以下のようになります。
- 『容疑者室井慎次』は、2005年8月27日に公開されたTVドラマシリーズ『踊る大捜査線』シリーズの劇場版シリーズ作品であるサスペンス映画
- 『容疑者室井慎次』に出てくる観覧車の老人の名前は深江功太郎
- 『容疑者室井慎次』に出てくる観覧車の老人は元々警察関係者で、室井に警察からの辞職を促すために出てきたという設定
- 『容疑者室井慎次』に出てくる観覧車の老人を演じている俳優は、高橋昌也
- 『容疑者室井慎次』に出てくる観覧車の老人は、警察庁と警視庁の対立を仲裁させるために室井に退職を要請した
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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