映画『竜とそかばすの姫』の竜の正体をまとめました。

結論から述べると、竜の正体は日本に住む恵(けい)という男の子です。

竜の背中に傷がある理由は、実世界で恵の身に何かが起きているからです。

『竜とそかばすの姫』の竜の正体について、映画と原作小説の内容からネタバレで解説していきます。

【竜とそばかすの姫】竜とは?

はじめに、『竜とそかばすの姫』の竜について解説します。

竜は、仮想世界〈U〉に棲む、醜いモンスター〈As〉です。

竜の容姿については、原作小説のベルの視点で下記表現がなされています。

突き出る二本の角。長い鼻面。鋭い牙と爪。特徴はまさに竜そのものであり、印象は暴力的なようだ。

それでいて襟を立てた深紅のマントや、スーツの袖から覗く白いフリルは、どこか貴公子的なものを連想させた。

この真反対な性質が同居する不思議なバランス。

長く崩れた髪の隙間にわずかに見える細く鋭い眼差しは、どこまでミステリアスにわたしに思えた。

小説『竜とそばかすの姫』P100-101

一般的な「竜」という存在自体がかなり恐いイメージがありますが、それに拍車をかけるような凶暴性が備わっています。

一方で、どこから上品な雰囲気も兼ね備えているようで、ベルは「ミステリアス」と他の〈As〉が抱くようなマイナスなイメージを持っていないことがわかります。

最強の〈As〉

竜の強さは〈U〉の世界で最強といっても間違いありません。

竜は7ヶ月前に突如武術館に現れて数々の対戦相手を圧倒し、7ヶ月間の戦績は369勝3敗2引き分けと凄まじい強さです。

竜が何連勝しているかは不明ですが、〈U〉の連勝記録を塗り替え続けている記録保持者です。

1対1の対戦では一発で相手を玉砕し、目で追えないほどのパンチを繰り出します。その威力は相手〈As〉のデータが破損し、フリーズしてしまうほど。

また攻撃力だけでなく、例え複数人で攻撃をされても素早い身のこなしで回避する術も身につけているため、ダメージを与えることも難しいのです。

竜の評判

竜はその強さからは〈As〉の大半からは僻まれたり、嫌われたりしています。

圧倒的な強さのため、対戦相手のデータ破損も多く、かなり毛嫌いされているようです。

〈U〉の住民からは、

「ファイトスタイル最悪」

「試合を台無しにする」

「データが壊れて使用不可になるまで攻撃してくる」

小説『竜とそばかすの姫』

と、高い評価を得ることはできていません。

強いだけならまだしも、凶暴性も兼ね備えているため、手が付けられないということでしょう。

一方で、子供たちから非常に人気があります。子供たちは竜と一緒に写真を撮影したり、握手をしてもらうことを望んでいます。

中には悪役だからこそカッコ良いという思う子供もいて、ダークヒーローのような存在でもあります。

ジャスティスとの因縁

竜は〈U〉で圧倒的な強さであり、対戦相手を完膚なきまでに倒していきます。

完膚なきまでに攻撃するため、対戦相手のデータ破損やフリーズにつながってしまいます。

そのため、〈U〉では凶暴な存在として認識されていて、自警集団「ジャスティス」に狙われています。

自警集団「ジャスティス」の目的は竜の実世界で操作している人間を暴き、そのまま〈As〉である竜を消滅させることです。

自警集団「ジャスティス」はリーダーのジャスティンを中心に複数人で活動していて、竜をアンベイル(〈As〉を操作する人間を明らかにすること) にスポンサーがつくほどです。

作中で「竜のオリジンを暴く」という言葉が出てきますが、オリジンとは「〈As〉を操作する実世界の人間」をさしています。

いってしまえば、竜のオリジンはそのまま竜を操作する実世界の誰かともいえます。

では、竜の正体であるオリジナは誰なのでしょうか。次の項目でネタバレで解説します。

【竜とそばかすの姫】竜の正体(オリジン)

『竜とそかばすの姫』の竜の正体をネタバレで解説します。正体とはつまり、「竜のオリジン」ということです。

竜の正体は恵(けい)

竜の正体は、14歳の恵(けい)という少年です。

恵は、多摩川駅最寄りの豪邸に11歳の弟・知(とも)と父親と暮らしています。

恵と知は普通の子供で、年齢的に中学生と小学校高学年でしょう。

恵と知の初登場は物語序盤。ひとかわむい太郎&ぐっとこらえ丸から竜に関するインタビューを受けていました。

原作小説ではYou Tubeのアカウントネーム「Kei」と「Tomo」と呼ばれていました。

この時Tomoは「竜は、ね、僕の……ヒーロー……なんだ……」と竜への想いを口にしています。

一方でKeiはぐっとこらえ丸から「うしろの子、こっち向いて」と言葉にも反応せず、前を向こうとしませんでした。

このシーンは物語後半への大きな伏線となっています。

映画ではある新聞記事に恵、知と2人の父親が掲載されていました。見出しには「シングルファザーの・・・」とあるので、父親の姿がどこかに取材されていたのでしょう。

側から見れば親子三人で仲良く暮らす家族に見wますえしかし、その実態は大きく違っていたのです。

父親から虐待を受ける

実世界では、恵と知は父親から言葉の暴力を受けていました。

気性の粗い父親は恵と知に対して、

「世の中でルールがあるように、この家で父さんの言うことがルールだ」
「それに従えないから、おまえには何の価値もない。もう一度教えなければわからないか?」

と暴言を吐いていました。

恵は知を父から守るために、「知くんを責めないで!!」「悪いのは僕だから、知くんではない」といつも途中から自分が犠牲になるのでした。

竜の背中が傷だらけなのは、オリジンである恵が知と父の間に入り、父の暴言を背中で受けていたからです。

原作小説では「父親は、言葉の暴力を恵にくんの背に投げかけていた。まるで上司がミスをした部下を叱責するように」(P254)と表現されています。

ボディシェアリング機能でオリジンの身体に起きた反応はアバターの〈As〉にも影響が与えるため、竜の背中にあざが増えていったわけです。

竜の正体はなぜわかった?

竜の正体が判明したのは、知がベルの歌をライブ配信していたからです。

その前段階から話すと、〈U〉でジャスティンから攻撃を受けてボロボロとなった竜は、〈U〉の世界から離脱してしまいます。

その様子を見ていた鈴(ベル)は竜を探そうとしますが、アカウントは50億人分もあるので、誰が竜のオリジンか検討もつきません。

そんな時にネット上で繋がっていたライブ配信からベル(鈴)と竜しか知らない歌が流れてきたのです。

鈴が急いでそのページを視聴すると画面上には白いパーカーの男の子が映り、ベルの歌を歌っていました。この男の子が恵の弟・知です。

知の歌声に反応したのが父親であり、いきなり室内に入って暴言を吐き、花瓶を割ってしまいます。

そして、暴力を振るおうとしたところに、同じ部屋にいた恵が知をかばっていました。

その様子をライブチャットで見ていた鈴やヒロちゃんたちは、窓にあるマンションの高さから自宅の場所をつきとめます。

鈴は恵と知を助けるため、高知県から東京都多摩川市に向かうことを決意するのです。

恵の結末は?

恵を父からの虐待から助けようとする鈴。

地図情報から恵の自宅を割り出した鈴、自宅から飛び出していた恵と知を発見します。

しかし、父親もすぐそこに迫ってきていて、鈴はなんとか恵と知を守ろうとします。

鈴は父親に両手で捕まえられ頬に傷をおってしまうも、最後まで毅然の態度を見せつたため、父親はその場から去っていきました。

【竜とそばかすの姫】竜の背中のあざ・傷の理由

『竜とそかばすの姫』の竜の背中に多数のあざや傷があるのは、オジリンの恵が父親から言葉の暴言を受けていたからです。

〈U〉の世界では、オリジンと〈As〉はボディシェアリング機能により連動する仕組みになっています。

実世界の恵のあざが、そのまま竜のあざに反映されていました。

何も知らない鈴は竜の背中を見た時、下記の感想を抱いています。

大きな背中一面のあざを、間近で初めて見た。複雑な形と色彩に目を奪われた。
美しい、とすら感じる。このあざはどんな意味を持つのだろうか。

小説『竜とそばかすの姫』P179

そして、竜は鈴の存在に気づくと「醜サヲ笑イニ来タカ!?」「君ハ何モ分カッテイナイ」と怒って追い返してしまうのでした。

竜のあざは父親からつけられた言葉の暴力が原因であり、〈U〉の世界で竜が最強なのは恵自身が強くなりたいと誰よりも願っていたからではないでしょうか。

恵の〈As〉が竜の理由については下記にネタバレで考察しています。

竜と一緒にいる白い天使Asの正体(オリジン)については下記でネタバレ解説しています。

まとめ

今回は、

●【竜とそばかすの姫】竜とは?

●【竜とそばかすの姫】竜の正体(オリジン)

●【竜とそばかすの姫】竜の背中の傷の理由

これらについてまとめました。

Twitterでフォローしよう