映画『竜とそばかすの姫』は、ディズニー映画『美女と野獣』の内容に似てるという声があがっています。

実際にはオマージュの範囲といえますが、一部から「パクリ」という声も上がっています。具体的にはどのような箇所なのでしょうか。

今回は『竜とそばかすの姫』と『美女と野獣』の類似点やオマージュについて深掘りします。

『竜とそばかすの姫』は『美女と野獣』のパクリ?

映画『竜とそばかすの姫』は、『美女と野獣』と似てるといわれています。

映画『竜とそばかすの姫』の予告の段階から『美女と野獣』を連想させる人もいました。

美女と動物(怪獣)の物語、お城でダンス、動物(怪獣)は命を狙われる、愛をテーマにしている……など類似点は多数あります。

一部のファンからは「パクリ」という声も上がっていますね。

しかし、「パクリ」という表現方法は適しておらず、実際には「オマージュ」といった方が良いでしょう。

そもそも『美女と野獣』はディズニー映画で一躍有名となりましたが、元々のストーリーは1700年代にフランスで広まった逸話です。

映画『美女と野獣』はそのストーリーをベースにしているため、決してオリジナルの作品ではないのです。

パクリとオマージュの違い

「パクリ」とは盗作や盗用という意味であり、オリジナルの作品をあたかも自分の作品として扱う場合にあてはまります。

一方で、「オマージュ」は尊敬する作品からの影響で同じテーマの創作をする際にあてはまります。

「オマージュ」は元作品へのリスペクトが念頭にあるため、元作品との関連を創作者自身が明かすケースがほとんどです。

元作品との関連性が強いため、元作品をしればより内容を楽しむことができるのが「オマージュ」の特徴でもあります。

『竜とそばかすの姫』の細田守監督はパンフレットで「僕は『美女と野獣』がすごく好きで、特に1991年のディズニー版が大好きなんです」と語っています。

"美女と竜"が登場するこの作品は、ディズニー作品が好きな細田監督がオマージュした作品と言って良いでしょう。

オマージュの許可

「パクリ」は盗撮のため、創作者としては行ってはいけません。場合によっては著作者から訴訟されるでしょう。

一方で、オマージュは元ネタの創作者への敬意があるため、それ自体がNGになることはありません。

明確に許可が必要という法律はないですが、業界内の慣習や礼儀として事前に連絡くらいはしているでしょう。

映画のように規模が大きくなると、オマージュとパクリは紙一重で評価されるため、作品のスタンスを明確にするためにも、公開後の早い段階で「オマージュ」ということを打ち出す必要がありますね。

『竜とそばかすの姫』と『美女と野獣』の似てる点

続いて、『竜とそばかすの姫』と『美女と野獣』の似てる点をネタバレで比較していきます。

具体的には下記8点です。

・タイトル
・ヒロインの名前
・人間ではない容姿
・作品テーマ
・お城
・ダンス
・命を狙う
・薔薇の存在

それぞれについて解説していきます。

タイトル

1つ目は「タイトル」です。

『竜とそばかすの姫』、『美女と野獣』。

ともに「女性」と「動物」の組み合わせです。

「女性」では、姫と美女という貧を感じさせる美しい表現となっています。

一方で、「動物」でや竜と野獣という強くて凶暴なイメージを連想させています。

『竜とそばかすの姫』が正反対な2人を物語の主人公にしている点は、『美女と野獣』を想起させます。

ヒロインの名前

2つ目は「キャラクター」です。

『竜とそばかすの姫』、『美女と野獣』はともに主人公(ヒロイン)の名前が「ベル」です。

『竜とそばかすの姫』の主人公は女子高生の内藤鈴です。鈴が仮想世界〈U〉で使うアバターの名前は「ベル」。

〈U〉で鈴(すず)という名前を隠すために、連想させた英語表記「Bell」(ベル)を使っています。

『美女と野獣』の主人公もベルという美女です。

『美女と野獣』のベルの名前には特段のエピソードはなく、もともとベルだったとしか説明できません。

人間ではない容姿

3つ目は「人間ではない容姿」です。

『竜とそばかすの姫』では、〈U〉で凶暴な存在である竜が登場します。見た目も怖く、大きな牙や身体で相手を威嚇します。

竜のオリジンは14歳の少年、恵(けい)。恵は現実では弟を父親の暴力から守ろうとする優しい少年です。

日々のストレスや弟の守りたい気持ちが強くなり、〈U〉では凶暴な存在になっていきました。

一方で、『美女と野獣』は、醜い老婆を見た目で判断した王子が魔法にかけられて野獣になります。

王子はその出来事から改心し、最後はベルと結婚するまでに至っています。

2つの作品で共通することは「(人を)見た目だけで判断してはいけない」という考え方でしょう。

作品テーマ

4つ目は「作品のテーマ」です。

『竜とそばかすの姫』と『美女と野獣』に共通するテーマは「愛」です。

『竜とそばかすの姫』では、ベルと竜が歌を通して心を通わせながら、物語が進んでいきます。

物語のクライマックスでは、現実世界の鈴が竜のもとへ向かい、虐待する父親から救いだすという展開でした。

『美女と野獣』でも魔女からの魔法を解くために野獣は真実の愛を見つける必要がありました。

野獣は真実の愛を見つけ、最後は人間に戻りベルと結婚を果たします。

お城

5つ目は「お城」です。

『竜とそばかすの姫』と『美女と野獣』でも、ともにお城でのシーンが多いです。

『竜とそばかすの姫』では竜が隠れている場所がお城であり、『美女と野獣』でも野獣はお城に住んでいます。

さらに、竜が背中を痛めつけられて、転落する場所は「竜の城のバルコニー」。

『美女と野獣』のガストンが転落する場所は「野獣の城のバルコニー」と、バルコニーで物語が展開する様も似ています。

ダンス

6つ目は「ダンス」です。

『美女と野獣』では有名なダンスシーンですが、『竜とそばかすの姫』でもほぼ同じような展開があります。

『竜とそばかすの姫』でも、ベルと竜がダンス用の洋服に着替えて、踊るシーンがありました。

命を狙う

7つ目は「命を狙う」です。

『竜とそばかすの姫』では、自警集団「ジャスティス」のリーダー・ジャスティンが竜をアンベイルしようと狙っています。

アンベイルとは仮想世界〈U〉で素顔を晒すことであり、一度されてしまうとアカウントを復活させることはできません。つまり、仮想世界〈U〉での死を意味しています。

『美女と野獣』でも、野獣がガストンから命を狙われています。

ジャスティンとガストンはともに「自らの正義のために突っ走る筋肉質な男」という点でもそっくりです。

薔薇の存在

8つ目は「薔薇の存在」です。

『竜とそばかすの姫』では、竜の城に薔薇が咲いています。薔薇が竜の城にあるのは、現実世界での恵の家に薔薇が飾っているからです。

竜とベルがダンスをするとき、それぞれに胸に薔薇が飾られています。

ベルはその薔薇の花びらをジャスティンの前で落としてしまい、竜の城を発見されてしまうのです。

『美女と野獣』では、薔薇の花びらが散るまでに野獣が真実の愛を見つける必要がありました。真実の愛を見つけないと、魔法は解けずに人間に戻れません。

まとめ

今回は、

●『竜とそばかすの姫』は『美女と野獣』のパクリ?

●『竜とそばかすの姫』と『美女と野獣』の似てる点

これらについてまとめました。

Twitterでフォローしよう