山崎豊子さんの小説「白い巨塔」。

 
作中では主人公の財前五郎は最後、病に侵されて亡くなってしまいます。

 
ドラマでは物語がスピーディーに進んでいくため、いまいち財前の死因がわからないとう人も少ないと思います。

 
そこで今回は、白い巨塔の財前五郎の死因について記載していきます。

 
また、最後のセリフや遺書などもドラマの名シーンとしてあがっており、併せて振り返っていきます。

【白い巨塔】財前五郎の死因は癌?

白い巨塔では、財前は癌により死亡します。原作では胃癌、2003年ドラマでは肺癌になります。

 
(以降は、原作ベースで記載をしていき、2003年独自のストーリーがあれば都度、追記していきます。)

 
財前の容態が多く変化したのが、自身の医療ミスが原因で行われた医療裁判で逆転敗訴になったときです。

 
敗訴後、マスコミに対して、

 
「こんな判決がまかり通れば日本の医学界は診療せざるに如かず、為さざるに如かずの萎縮医療に陥ってしまう、最高裁に上告だ!」

 
このように大きく叫んだ直後、脳貧血で倒れてしまうのです。

 
財前の師で前任の教授、東貞蔵が執刀するものの、切開後に手術不可の状態になるほど癌は進行しており、何もせずに吻合しました。

 
原作では肝臓にまで癌が移転、2003年ドラマでは肺癌の肺内転移と胸膜播種を起こしていて手の施しようがないという設定に変更されています。

 
医局内には、財前又一(財前五郎の妻の父)の希望もあり、鵜飼学部長により財前自身に癌を告知してはならない、かんこう令がひかれます。

 
しかし、そんな中で、東は、

 
「財前君ほどの臨床医を騙しおおせるのは無理だし、騙したまま死なせるには忍びないから、本来なら財前君には切除不能の癌だと告知した上で死んでもらうべきだろう。

 
しかし、もし私自身が癌で倒れた時、一人の人間として死期を予知してもらったほうがよいかどうかは、自信を持っては答えられない…」

 
と語っています。

 
財前は結果的に、黄疸から自身の病状に気づきます。

 
すぐに里見を呼び出しますが、里見は財前に癌であることを告知できずにいました。

 
しかし、財前は、癌専門医の僕が自分の病状を知らずにいるのはあまりに残酷だ」と訴え、鵜飼医学部長含めて再度依頼するように食い下がったのです。

 
2003年ドラマは抗がん剤の投与に疑問を抱き、右手に物を掴めないほどの痺れが生じたことで自ら脳転移に気づきます。

 
2003年ドラマでは、財前はその足で里見が務める病院に向かい、里見から余命3ヶ月であることを告げられています。

2003年ドラマ「白い巨塔」最終回での最後のセリフ

財前の死期に関しては原作は過去作品など様々なパターンで描かれています。

 
その中でも、2003年ドラマの最終回は多くの反響を呼びました。

 
財前役を唐沢寿明さん、里見役を江口洋介さんが演じています。

柳原「東先生いらっしゃいました!」

 
東「財前君、財前君、聞こえるかね?呼吸状態を考えてステロイドを投与するよ!」

 
財前「ステロイドでいいのか里見。佐々木庸平は食堂がんだ。メトブラシンを投与すべきだ。

 
いまワルシャワだ。アウシュビッツを見ていた」

 
鵜飼「財前君、しっかりするんだ!」

 
財前「誰だ君は、あっちへ行きたまえ」

 
佃「財前先生。鵜飼学長ですよ」

 
鵜飼「僕だよ」

 
財前「用はない、出て行きたまえ!」

 
財前「何をしている。メスはまだか。里見、君の診断は間違っていなかったよ。

 
クーパーをよこせ!・・・クーパーをよこせ!」

 
---財前があげた右手を両手で握る里見---

 
財前又一「ここでまひょう。2人っきりにしまひょ。ここをでひょ。杏子でよ、杏子」

 
佃「先生、先生。」

 
---病室には財前と里見のみ----

 
以下、財前が一人で語りだす。

 
「決心してくれたのか。やっと、がんセンターの内科部長を引き受けてくれるんだな。これで、僕のがんセンターも盤石だ・・・

 
佐々木さん、あなたもがんセンターに入院されたら、ベッドは空けますよ。ええ、僕はセンター長ですからね。

 
里見。一言くらい祝いの言葉・・・・

 
転移ではない・・・僕しかいなんだ・・・世界は・・・代わりの人間が・・・

 
2人で、2人で・・・里見」

財前は最後は意識朦朧のまま、一人で話し続けました。

 
里見は黙って、最後までその話を聞いていました。

 
2003年のドラマは全21回放送されていますが、物語の最後を表現するのにふさわしシーンであると絶賛されています。

 
財前の言葉は死なせてしまった佐々木への深い後悔であり、それを誰にも吐露せずに苦しんでいたのでしょう。

 
物語の最後のがんセンターを設立について展開していきますが、その設立こそが佐々木への罪滅ぼしになると考えていたと推測できます。

 
そして、里見もそれをわかっており、最後はあえて言葉を発さず、そんな財前の本心に気付けずに信じられなかったことに後悔をします。

2003年ドラマ「白い巨塔」財前の遺書について

最後に、財前は遺書として手紙を残します。

 
原作では、枕の下から財前が残した最高裁への上告理由書および里見・大河内への自身の癌所見書の2つが見つけらています。

 
最高裁への上告理由書と最後の佐々木への言葉は矛盾していますが、その矛盾こそが作中ででてきた「割り切ることで医者である」財前をあらわしているのかもしれません。

 
2003年ドラマでは、エンディングとともに財前言葉で最後の手紙が読まれています。

里見へ

この手紙をもって僕の医師としての最後の仕事とする。

まず、僕の病態を解明するために、大河内教授に病理解剖をお願いしたい。

以下に、癌治療についての愚見を述べる。

癌の根治を考える際、第一選択はあくまで手術であるという考えは今も変わらない。

しかしながら、現実には僕自身の場合がそうであるように、

発見した時点で転移や播種をきたした進行症例がしばしば見受けられる。

その場合には、抗癌剤を含む全身治療が必要となるが、

残念ながら未だ満足のいく成果には至っていない。

これからの癌治療の飛躍は、手術以外の治療法の発展にかかっている。

僕は、君がその一翼を担える数少ない医師であると信じている。

能力を持った者には、それを正しく行使する責務がある。

君には癌治療の発展に挑んでもらいたい。

遠くない未来に、癌による死がこの世からなくなることを信じている。

ひいては、僕の屍を病理解剖の後、君の研究材料の一石として役立てて欲しい。

屍は活ける師なり。

なお、自ら癌治療の第一線にある者が早期発見できず、手術不能の癌で死すことを心より恥じる。

財前五郎

まとめ

今回は、

 
●【白い巨塔】財前五郎の死因は癌?
 
●2003年ドラマ「白い巨塔」最終回での最後のセリフ
 
●2003年ドラマ「白い巨塔」財前の遺書について

 
これらについてまとめました。

 
以上となります。
 
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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