山崎豊子さんの小説「白い巨塔」。

 
2019年には岡田准一さんが主演でテレビドラマ化されますね。

 
直近で放送された2003年のドラマでは、東教授の退官日に財前五郎が手術を入れるシーンがあります。

 
しかし、作中を見ていると、財前は無理して手術を入れる必要はなく、なぜその行動をしたか疑問に思う人も多いでしょう。

 
今回は白い巨塔で財前五郎が東教授の退官日に手術した理由について深掘りしていきます。

【白い巨塔】財前五郎が東教授の退官日に手術(オペ)した理由は?

ドラマ「白い巨塔」では財前五郎が、東教授の退官日にオペをするシーンがありました。

 
患者は佐々木商店」社長、佐々木庸平。胃噴門部癌患者でした。

 
財前がわざわざ東教授の退官日に手術をした理由は、東教授と周囲の医局たちへの見えないメッセージがあったといわれています。

 
退官日の教授総回診の時間帯に手術を行うことで、袂を分けたことを明確にしたかったのでしょう。

 
それまでは教授-准教授という関係であり、少なくとも表面的には師弟関係にありました。

 
しかし、教授選を境に2人は決別し、東教授は弟子の財前ではなく、別大学の菊川昇を推薦しています。

 
財前からすれば、そのような教授の最後を感謝の意で送り出す必要はなく、総回診の際に手術を行なったのでしょう。

 
総回診に財前が手術をすることは、そのまま財前の部下が東教授の総回診に出席しないことを意味します。

 
総回診の際に教授が引き連れる部下の数は明らかに少なくなれば、同時に周囲への見せしめにもなります。

 
「東教授の時代は終わり、これからは自分(財前五郎)の時代だ」というのを、東教授と医局全体へわからせたかったのでしょう。

 
映像でも見ましたが教授の威厳もどこから半減しており、非常に寂しいものでした。

 
通常であれば、退官日は全員で囲いならがら教授の最後の仕事を見届ける・サポートするのが部下の務めです。

 
しかし、それをせずに、半ば屈辱的な仕打ちをするあたりが、財前の性格が如実に現れているなと感じます。

 
新教授に選ばれた自信家・野心家の財前が、完全に東教授を「下」と見た印象的なシーンでした。

 
他にも、財前自身、東教授の顔を見たくないといった個人的な理由もあったと思われます。

【白い巨塔】財前五郎は手術(オペ)をする必要はなかった

財前が東教授の退官日に手術をしますが、急ぐ必要のない手術でした。

 
急ぐ必要のない手術を強行したことが、なおさら財前-東の関係性を表しているといえるでしょう。

 
背景を詳しく説明すると、確かに手術日は東教授の退官日にセッティングされていました。

 
これは前述の通り、財前がわざと退官日に合わせたからです。

 
佐々木はもともと、里見の患者でしたが、内科的な側面からは原因が明らかにならず、外科の財前へ依頼をした経緯があります。

 
2003年のドラマでは、佐々木は胸部CTで左肺に炎症性変化と読影でき、食道がんから肺への転移巣が疑われる陰影が発見されます。

 
この段階ではあくまでも可能性であり、肺への転移はどちらともとれない状況でした。

 
里見脩二と柳原弘からはこのように癌移転の疑いも否定できないため、再検査を財前に持ちかけますが、一蹴されます。

 
財前は庸平がヘビースモーカーである事と肺炎の既往があることを理由に、単なる肺への負担で出来た炎症性変化による陰影に過ぎないと考えました。

 
再検査をすることは財前にもデメリットはないように見えましたが、再検査=手術日程を変更することに当たり、財前はそれを認めずに手術を強行したのです。

【白い巨塔】財前は東教授の退官日から歯車が狂う

原作もしくはドラマで物語を知っている人はわかると思いますが、財前は佐々木の手術から歯車が狂っていきます。

 
物語全体を見回すと、自身の私欲ために行なった手術が結果的に自分自身に足枷になってしまうのです。

 
以下は、財前の手術後のエピソードも記載があり、ネタバレにもなりますのでご注意ください。

 
財前が手術を強行した佐々木は暫くは安定していたものの、容態が悪化して癌性肋膜炎が原因で死亡します。

 
財前は佐々木の体調が術後も優れないを里見・柳原から報告を受けていましたが、財前は、術後肺炎と診断し抗生物質の投与を命じます。

 
里見の対診も拒否するなど雑な扱いを見せます。

 
財前は患者を見ること以上に海外の学会出張に目を向けており、病室に訪れることなく日本を飛び立つのです。

 
佐々木は前述の通り、癌性肋膜炎が原因で死亡。

 
おかしいことに気づいた佐々木よし江と庸一は医療訴訟を行います。

 
財前が東教授の退官日にわざとセットした佐々木の手術により、自身のキャリアを大きく傷つけることになっていきます。

 
もし、財前が手術をリスケし、肺炎の可能性をきちんと検査していれば、佐々木が術後に癌性肋膜炎とならなかった可能性もあります。

 
財前自身が、胸部CTで見た左肺炎症性変化を佐々木の喫煙によるものと片付けてしまったことは非常に大きいでしょう。

 
自信家の財前ですが、もともとは里見の能力・技術を高く評価していました。

 
東教授の退官日が1ヶ月後でしたら、里見の意見を聞き入れて再検査をしていたでしょう。

 
しかし、それができなかったのは、ひとえに東教授の退官日に自身の力を誇示するための私欲があったからに他なりません。

まとめ

今回は、

 
●【白い巨塔】財前五郎が東教授の退官日に手術した理由は?
 
●【白い巨塔】財前五郎は緊急オペ(手術)をする必要はなかった
 
●【白い巨塔】財前は東教授の退官日から歯車が狂う

 
これらについてまとめました。

 
以上となります。
 
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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