2009年8月1日に公開された映画「サマーウォーズ」。

映画を鑑賞した人からの一部からは「面白くない」という声が聞こえてきます。

理由の一つに「家族の描写が気持ち悪い」というものがありました。

作品の魅力の一つでもある大家族の描写ですが、どのような点が気持ち悪いと評価されているのでしょうか。

今回は映画「サマーウォーズ」の"家族が気持ち悪い"という意見を中心に面白くない評判・感想を深掘りしていきます。
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映画「サマーウォーズ」家族が気持ち悪い?

映画「サマーウォーズ」ではヒロイン・夏希の実家が旧家の大家族であり、20人以上の親戚が栄おばあちゃん宅へ集まります。

物語は栄おばあちゃんの悲痛な死を迎える中、健二やカズマを中心にラブマシーンを撃退していき、最後は家族一丸で暗号を解く(=夏希、健二を応援する)というクライマックスへ向かっていきます。

少しバラバラになりかけていた家族が、危機的状況で団結していくシーンが最大の「ウリ」でしょう。

しかし、大家族の描写に疑問を持つ人も多く、「気持ち悪い」という声が聞こてきます。

確かに冷静に考えていくと、疑問に思うシーンも出てきており、以下、考察をしていきます。

個人的な感想では、下記の点が「気持ち悪い」に該当すると思います。

・物語上「大家族」である必要性がない
・女性陣の家事は尋常ではない
・家族で合戦を挑む場面ではない
・昔ながらの封建的な雰囲気

物語上「大家族」である必要性がない

1つ目は「物語上『大家族』である必要性がないということです。

これは直接的に大家族の気持ち悪さにはつながらないですが、なぜここまでして家族を強調したのかがわかりません。

OZの世界の乗っ取りを解消させるため、家族である理由はどこにあるのでしょうか。

一説では細田守監督が結婚をされ、相手方の家族を参考にされているようですが、物語上に結びつきがないのは疑問に思います。

ラブマシーンと陣内家を直接的につなぐものはなく、唯一の設定は侘助が開発したAIだったという点でしょう。

つまり、「OZの混乱をどうして大家族が救う必要があったのか」という部分が不透明なまま物語が進んでいます。

一部からは「ご都合主義」という言葉も聞こえますが、まさにその通りであり、

・キングカズマが陣内家
・ラブマシーンの開発者も陣内家
・なぜか健二がアカウント乗っ取り
・佐久間が驚異的な情報収集力

という、核になる部分を後出しジャンケンで演出しているのは否めないでしょう。

もしかしたら、細田監督の中に「大家族でアニメを描く」というのが前提にあり、そこから逆算してストーリーを構成していったのかもしれません。

女性陣の家事は尋常ではない

2つ目はリアリティという点で「女性陣の家事は尋常ではない」ということです。

これは物語ではちょっとだけ演出されていますが、世の中の女性からは結構な批判的な声が聞こえてきます。

具体的には下記になります。

物語では、陣内家の女性陣がずっと家事をしていることに気づいた人も多いでしょう。

逆説的に男性陣はずっと外に出たり、お酒を飲んだりというシーンが多く、「女性=家事・男性=仕事」という昭和の価値観が根付いている部分がいなめません。

さらに、女性陣の中でもきっちりと序列ができており、典子と奈々は台所のシーンが多かったのではないでしょうか。

特に奈々は女性陣では(夏希を除き)最年少の32歳であり、仕事を押し付けられてる感じが否めませんでした。
   

直美には「手伝ってくださいよぉ〜」とお願いするも、「私こんなに美味しいのできない系」とつまみ食いをされる始末。

さらには、由美は息子の県予選があるため台所を飛び出して応援をしていきます。

誰一人として積極的に実施しない料理を押し付けられている感じが否めませんでした。

家族で合戦を挑む場面ではない

3つ目は、「家族で合戦を挑む場面ではない」ということです。

栄おばあちゃんが亡くなった後、通夜・葬式の準備をしようとすると、万助が「(栄おばあちゃんの)敵討ちだ!」と豪語しますね。

普通に考えれば、あの状況でラブマシーンに対して再戦をする意味はなく、きちんと通夜と葬式の準備をするのが普通でしょう。

万助の姿に「カッコ良い!!」という人もいますが、現実的に考えれば動き出す理由は非常に希薄です。

(栄おばあちゃんの死の原因には、OZの混乱は直接的には影響がないと万作が説明しています)

また、ここでも「準備をする女性陣」「無茶して戦う男性陣」と、綺麗に男女で考えが別れており、違和感を感じてしまいます。

そして、最後のシーン。

夏希が花札でラブマシーンを倒しにかかるところは理解できるでしょう。

しかし、その次。健二が一人で計算を取り組んでいるシーンを家族が囲む理由がわかりません。

冷静に考えれば、子供含めて死ぬ可能性があるにも関わらず、家から出ないのは親として明らかにおかしいです。

百歩譲って、健二、侘助、カズマたちはあの場に残ったとしても、お腹に子供を抱えている聖美や子供たちは避難させるのが道理でしょう。

アニメだから、物語だからと言ってしまえばそれ終わりですが、こと感情移入という点で考えるとリアリティのない場面で共感性が生まれない場面でもあるのです。

昔ながらの封建的な雰囲気

[the_ad id="5494"] 最後の理由は、陣内家の「昔ながらの封建的な雰囲気」です。

これについては、古くからの日本的な考えがまだまだ蔓延しているという意味であり、この慣習を気持ち悪いと感じている人もいます(↓)

物語がそもそも、陣内家にお邪魔している健二の視点から描かれているという点もありますが、かなり封建的な雰囲気は否めません。

例えば、

・健二の嘘がバレて一気に村八分になるところ
→嘘の経歴において健二は一切悪くない

・犯人扱いをされても誰も庇わない
→どう考えても学生ができる犯行でないが、いきなり白い目で見られる

・侘助が非常に孤立をしている
→細田監督による「家族に馴染めない=悪いやつ」という演出

という点が読み取れます。

他にも、旧家という家柄か、栄おばあちゃんの意見は絶対的であり、なぜか身内の誕生日会で出し物の順番まで決まっているという状況なのです。

あげくの果てには栄おばあちゃんも薙刀で侘助に「今ここで死ね」と激怒する始末。

侘助の態度にも問題はありますが、責任の所在は一切ないにも関わらず、「人に迷惑をかけた」と感情的に責められてしまうのです。

栄おばあちゃんが素敵な存在なのは否定しませんが、"誰もおばあちゃんに口出しできない状況"がちょっとあり得ない、気持ち悪るいう意見は十分に理解できます。

特に侘助に対するあたりは厳しかったですね。

栄おばあちゃんが侘助を怒った本当の理由は気になりますね(↓)

映画「サマーウォーズ」面白くない理由や評判・感想について

「サマーウォーズ」を面白くないという意見には、上記の通り「家族の演出が気持ち悪い」というものもあります。

面白くないという意見は他にも存在しており、具体的は、

・物語の展開がご都合主義すぎる
→数学オリンピックの代表候補の天才の存在
→世界チャンピョン「キングカズマ」の存在
→アメリカ国防省からオファーファ届く天才開発者
→遠隔地からラブマシーンを封鎖できる同級生
→電気屋、漁師、自衛隊、消防隊という家族の職業

です。

大家族という部分に隠れて、登場人物がみんな天才的な頭脳や能力、人脈の持ち主です。

あからさまに天才的な演出がなく、キャラクターにコンプレックス(健二は引っ込み思案、侘助は家族と仲悪い、カズマは元いじめられっ子など)が描かれており隠されていますが、スペックが半端ないのです。

他にも、漁師、電気屋、自衛隊といくら職業だからと言って、「持ち出せるものとそうでないものがある!」と感じる人がいても不思議ではありません。

そんな都合よく、一つの家族に集約されているのかと思うでしょう。

現実的に考えて、このような都合良いハイスペックグループに違和感を感じる人がいてもおかしくはありません。

ただ、サマーウォーズがここまで支持されている点は、このようなご都合主義は理解すつつも、「バラバラな家族が団結していく姿が微笑ましい」と感じる人です。

あえて日本的な世界を描いたのも、そこに懐かしさや憧れを感じる人々を想定されており、健二がOZの混乱を抑えめていく中で、少しずつみんなからの信頼を集めていく姿はグッときます。

翔太たちが最後に

翔太「しゃんとしろ! 俺たちがついてる」
万作「君にしか解けないんだろ これは」
侘助「頼む!」
健二「はい!」

と、健二に語る瞬間は、これまでずっと"家族ではない"と離されていた健二が陣内家に向かい入れられた瞬間でもあります。

サマーウォーズはご都合主義や大家族のちょっと気持ち悪い部分をあえて描きながら、青年が家族に入るまでの過程を壮大なスケールで物語としています。

サマーウォーズには「突っ込みどころ」もいくつかあり、全部で8個に整理してまとめました!

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まとめ

今回は、

●映画「サマーウォーズ」家族が気持ち悪い?

●映画「サマーウォーズ」面白くない理由や評判・感想について

これらについてまとめました。

以上となります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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