ドラマ「白い巨塔」で行われる教授総回診。

東、財前がそれぞれ教授として行うシーンが非常に印象的です。

教授を先頭にして、各医局員がその後に続いて各患者を回診していきます。

まるで軍隊のような光景であり、ドラマで初めて見た人は「本当にこんなことあるの?」と思うでしょう。

今回は、白い巨塔での行われる教授総回診について深堀りをしていきます。
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白い巨塔の教授総回診は本当にある?

白い巨塔の教授総回診は本当にあるのか?

結論からいうと、教授総回診は実際にあります。

人数も白い巨塔にあった通り、15人〜20人で行われるようです。

ドラマの中では、大学病院における教授の立ち位置を明確する意図もあり、誇張している部分があります。

どちらかというと診断や治療面よりも、医局での政治的な意味合いを込めて演出していますね。

実際の大学病院でも教授総開始は行われており、これは非常に大切な回診です。

ただ、教授総回診するものは規約や法律などで定められている義務ではなく、大学病院によっては実施していないところもあります。

白い巨塔でも行われる教授総回診の目的は?

ドラマでは権力の象徴として描かれていますが、実際の大学病院での教授総回診は、一般的に下記の3つの目的があるといわれています。

①患者の病院への満足度
②患者の経過を確認
③医局員への教育・指導

①②については、北海道大学病院・形成外科の山本有平教授が、2012年のコラムについて見解を述べられており、一部を引用しています。

①患者の病院への満足度

一つ目は患者の病院への満足度を教授自ら確認するためです。

 
患者がその病院の治療に満足をしているのか。あるいは、何かしらの不満を抱いているのか。

カルテだけでは判断できない患者の内面について知る良い機械であるといえます。

実際、治療がうまくいってても不満があったり、逆に、治療が満足な結果でないとしても真摯な態度に満足してくれる人もいるようです。

大学病院も年々経営が厳しくなっており、教授回診のときに患者から生の声を聞くのは昔以上に必要とのことです。

私は、カンファレンスで報告される、術前中後スライドや経過表ではわからない、そのような患者さんの気持ちを少しでも把握するために総回診を行っています。

②患者の経過確認

2つ目の目的【患者の経過確認】とは、教授(=組織のトップ)自らが患者の元へ向かい、経過を確認することをさします。

現実的に教授が全ての患者の容態をチェックして把握することは難しいですが、週1回で観察をすることに「きちんと行われているか」の確認をしている大学病院が多いようです。

総回診の朝には教授と医局員での会議があり、治療内容や方針について事前に内容を共有するそうです。

また、患者としても医局員だけでなく、教授が足を運んでコミュケーションをとることで心の安定にもつながります。

患者さんは、「初めて会う教授でも私の病状について知ってくれている。

決して、主治医と病棟担当医だけの判断で治療を行っている訳ではない。」と気付いてくれます。

北海道大学病院形成外科では、教授以下多くの医療スタッフが協同して治療計画を立てている事を、総回診を通じて患者さんに伝えるのです。

③医局員への教育・指導

3つ目の目的は【医局員への教育・指導】です。

新人の医局員や研修医が教授とともに患者を診察・経過観察できる数少ない機会です。

大学病院では指導医という教育係もいますが、外来などで直接指導できないことも少なくありません。

その中で週1回、教授ともに時間を過ごせるのは経験の浅い人材にとっては非常に有意義なことでしょう。

ただ、教授によっては非常に厳しい人もいるようで、医局員からすれば接し方も難しいようです。

下記のように封建的な大学病院では通常は話すこともNGになっているようで、

K大学病院の外科はもっと封建的で、平の医局員は講師以上の先生に話しかけてはいけないのだという。

これは、K大学病院の先生から直接聞いた話なので間違いはない。

教授回診とはいえ、医局よってはかなり緊迫した空気になっているでしょう。

ただ、患者に対してはそんな空気を出したらダメのため、中と外で使い分けていると思われます。

白い巨塔の教授総回診で実際の大学病院とドラマとの違いは?

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白い巨塔で行われている教授総回診は実際にあることは上記で説明しました。

ただ、一部はドラマ用に誇張している部分があり、現実の大学病院との違いについて記載していきます。

下記6点が実際にはない(=誇張されている)設定です。

①必ずしも教授が先頭ではない
②扇型には歩かない
③厳粛な雰囲ではない
④患者の前でディスカッションはしない
⑤階段ダッシュはない
⑥「総回診です」のアナウンスはない

①必ずしも教授が先頭ではない

ドラマでは東や財前が先頭に立ち、残りの医局員が後に続いています。

しかし、実際には教授が先頭でない、教授回診もあるようです。

意外なことに看護師や研修医など若手医師が先頭にたち、教授が真ん中や少し前の方という病院もあります。

理由は、看護師や研修医が次のドアを先に開けたり、先に入室して患者へ声をかけたりするなど準備をする必要があるようです。

特に患者さんのカーゼを取ったりと少し時間がかかることもありますからね。

教授総回診といえども、診察の下準備は現場の看護師や研修医で行うため、作業効率の面から教授が先頭でない病院もあります。

②扇型には歩かない

ドラマでは、教授を先頭に扇方になって医局員が広がっています(↑)

正面から見たら、廊下いっぱいに広がっていることになります。

これは実際の大学病院にはなく、白い巨塔ならではの設定です。

当たり前ですが、現実的にこんなに広がったら、患者さんは通れません。

特に外科はベッドの出入りが激しいため、手術室から帰られた方はベッドで寝た状態で運ばれてきます。

あんな状態で歩いていたら邪魔でしょう。

他にも、ゆっくり歩いている患者がいたり、リハビリ中の患者がいたりと、幅をつけて全員が歩くことは迷惑になります。

基本は細長い列をつくって進むようです。

ただ、病室が狭く、人数が多い場合などは全員が入りきらずに外に溢れることもあるそうです。

③厳粛な雰囲ではない

白い巨塔では、東教授と財前の確執があり、それがそのまま教授選へ影響するストーリーがあります。

そのため、作中ではかなり威厳のある教授であり、みんなビクビクしている感じは否めません。

それは財前が教授になったときでも変わっていません。

医局の中では教授の権力が絶対なことはドラマと現実では共通ですが、回診の時は患者に対して接する機会であるため、あそこまで厳粛な雰囲気ではないです。

また、ドラマではBGMの効果も非常に厳粛な雰囲気を出していますね。

ドラマでは教授総回診は診断としての演出ではなく、医局内での教授の権力を見せつける意味が強いです。

教授自らが先頭にたち、医局員を引き連れる。

その姿や空気感を大切にするシーンであり、自然と厳格な雰囲気になってしまうのでしょう。

④患者の前でディスカッションはしない

白い巨塔では、教授選を前にして、東教授と財前の確執があったためか、東が財前の治療に嫌味をいったり、方針を巡りディスカッションしたりするシーンがあります。

しかし、実際には、教授総回診の前の段階で打ち合わせをしているため、患者の前で議論を交わすことはないそうです。

個別病室ならまだしも、相部屋の場合は個人情報の観点からも控えているでしょう。

何より、患者の前で准教授の意見を教授が否定しまえば、患者は途端に不安な気持ちになるため、そんなことがしません。

他にも、治療方針や方法については回診前に全員で打ち合わせをしているため、患者の前で意見交換をすることはありません。

また、これは共通点になりますが、白い巨塔のように医局員はカルテを常に準備しており、教授から指示を受けたものがその場ですぐに出す必要があるようです。

医局員は回診前夜は長い時間準備するときもあり、かなり大変なようです。

⑤階段ダッシュはない

白い巨塔では、東教授はエレベーター、准教授以外は下から階段をダッシュで駆け上がり、ロビーで待ち合わせをします。

当たり前ですが、階段をダッシュをしての集合はありません。

そんなことをすれば怪我にもなりますし、無駄に疲れます。

他にもカルテなどを持つ医局員もおり、普通にエレベーターで移動しています。

ただ、教授によっては同じエレベーターで移動することを好まない人もいるようで、その辺りは一般企業と同じ雰囲気でしょう。

特に病棟を移動する際は、上下関係は露骨に出るようです。

⑥「総回診です」のアナウンスはない

総回診前の「〇〇教授の総回診です」というアナウンスはないようです。

通常は上記のようにエレーベーターで移動し、ナースステーション前で集合して向かうようです。

ただ、病院によっては患者に病室にいていただくために、アナウンスをするところもあるようです。

白い巨塔2003年版を無料視聴する方法

唐沢さんが財前五郎を演じた2003年版の白い巨塔を全話分、無料視聴する方法があります。

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2003年版は全21話ですが、1ヶ月あれば十分全て視聴ができますね。

白い巨塔2003年版は権利をフジテレビが保有しており、その系列のFOD以外の動画配信サービスでは視聴できないため、今がチャンスですね。

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まとめ

今回は、

●白い巨塔の教授総回診は本当にある?

●白い巨塔の教授総回診で実際の大学病院とドラマとの違いは?

●白い巨塔2003年版を無料視聴する方法

これらについてまとめました。

以上となります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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