山崎豊子さんの小説「白い巨塔」。
2019年には岡田准一さん主演で再びテレビドラマされています。
作中では、東貞蔵教授(役:寺尾聴)が、財前五郎准教授(役:岡田准一)をひどく嫉妬し、嫌うようなシーンがあります。
また、自身の後釜の教授には財前以外の人物を推薦していました。
浪速大学医学部第一外科で教授-准教授という関係でしたが、東教授はなぜ財前に嫉妬・嫌悪してかを深堀りしていきます。
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この記事の目次
【白い巨塔】東教授が財前五郎に嫉妬した理由は?
\✨ #白い巨塔 キャラクター紹介✨/
✔️東貞蔵 【 #寺尾聰 】
浪速大学医学部第一外科・教授で財前の師。
定年退官を前に、財前の教授選を見据えたパフォーマンスを目の当たりに。自分の後継者として別の候補を立てる。#テレビ朝日 #開局60周年記念#5夜連続 5/22〜26#山崎豊子 #岡田准一 pic.twitter.com/hRsbttMo53— テレビ朝日『白い巨塔』【公式】アカウント (@shiroikyotou_ex) March 15, 2019
東教授は財前のことを嫉妬していました。
理由は主に下記2つでしょう。
①東教授にはない高い執刀技術
②世間がそれを高く評価した
それぞれについて説明していきます。
【理由①】東教授にはない高い執刀技術
①東教授にはない高い執刀技術について説明していきますが、その前に、財前のバックグラウンドに触れないわけにはいきません。
財前は天才的なオペ技術を持つ外科であり、食道外科を専門としています。
その技術があるがゆえに、実力主義で傲慢な性格であり、非常に自信家です。
ドラマではどこまで描かれるか定かではないですが、臨床講義も熱心に行い、胃の縫合法である「財前式縫合」を考案するなど、医学者としても情熱を持っています。
特にドラマでは財前の自信家な部分が強調されていますが、実は貧しい家計で生まれており、奨学金を得て猛勉強を重ねている苦労人です。
有給助手となって以降、貴重な給料を割いて故郷の母・きぬへ、彼女が亡くなるまで仕送りを続けている人物でもあります。
一方で、東は父は父親も洛北大学附属病院長を務めた医学者で、代々学者の家に生まれています。
どちらかというと、臨床ではなく、医学者タイプです。
執刀技術も持ち合わせていますが、物語が進むに連れて、それは財前に遠く及ばなくなっていくのです。
東教授から財前への嫉妬の理由の一歩目には、やはり、圧倒的な技術の差があると思われます。
教授として弟子を育てていたら、いつしか弟子が自分以上になっていた・・・・同じ外科医であれば、その執刀技術に嫉妬するでしょう。
【理由②】世間がそれを高く評価した
2つ目の理由は、それを世間が大きく評価したからでしょう。
浪速大学の医局中での評判だけならまだ我慢できたかもしれませんが、財前のオペ技術は日本でも有数であり、世間が「財前=日本のトップクラスの技術を持つ」と認識をしていきました。
これは東教授には叶わなかった現実であり、弟子の財前が東教授を超えている一つの指針でもあります。
実際、財前のオペ技術が優れているため、鵜飼学部長(後の学長)は財前を最後まで支持し続けており、東教授と袂を分かつことになりました。
鵜飼学部長の本意は財前を利用して自身の地位をさらに磐石なものにしようした魂胆がありました。
しかし、詳細は後述しますが、それは東教授とて同じであり、必ずしも善悪の2面性で判断できないのが、白い巨塔の魅力でもあります。
【白い巨塔】東教授が財前五郎を嫌っていた理由は?
[the_ad id="5494"]東教授から財前への嫉妬心はありました。そして、同時に嫌悪も抱いています。
嫌悪感は当初からあったのではなく、自身の後任を決める教授選を巡り、徐々に心のうちに湧いていったと思います。
東教授が財前を嫌っていった理由は、主に下記2つでしょう。
①傲慢で自信家な性格
②自分が蔑ろにされている事実
財前は准教授となり頭角を表してから、野心家・自信家な性格が目立つようになっていきます。
腕に自信があるため、オペをしたいがためにオペする必要のないの患者にまでメスを入れることもしています。
もともと財前は東教授に師事した理由も、自分が教授になりたいという野心的な意味が強く、個人的な尊敬の念は抱いていませんでした。
そんな性格が徐々に東教授に目に見えて表れるようになり、東教授抜きで物事を進めるスタンドプレーを行っていきます。
その姿に東教授は、財前を育てた教授である自分を蔑ろにして勝手に物事を進めるなと強く遺憾に思います。
また、嫉妬の部分に関係がありますが、財前は東教授がいなくとも何でもこなせるようになっており、嫉妬心も拭いきれなくなっていきます。
東教授にとっては、財前が自信家であることよりも、自分を蔑ろにして行くことに嫌悪感を抱いていったのでしょう。
東教授には、退官後も浪速大学の学内・医局に影響力を残しておきたいと考えており、徐々に自分を粗末に扱っていく財前を嫌っていきました。
【白い巨塔】東教授が財前五郎を教授にしたくなかった訳を考察
東教授は自身の後任に財前ではなく、金沢大学(2003年ドラマは石川大学)の菊川昇教授を推薦します。
なぜ財前を推薦せずに外部の人材を引っ張ってきたのか。
表向きは財前の傲慢で自信家な性格が教授に向いていないということでした。
一方、本心では退官後、浪速大学の学内・医局に自分の影響力が及ばなくなることを恐れていたからでしょう。
本来、東教授は自分が育てた財前を教授にし、一定の影響力を及ぼしたまま退官することを画作していました。
東教授クラスになると、お金はもう十分手にしており、最後に求めるのは人日からの栄誉であり、尊敬の眼差しでしょう。
しかし、現実には財前の腕が世の中に評価されるようになると、徐々に東教授が蔑ろにされていき、明らさまに存在を軽視されていきます。
これでは、東教授が退官後すれば、お払い箱にあることは目に見えており、名誉や影響力を残すという目的が果たせなくなります。
そこで東教授は財前ではなく、金沢大学の菊川昇教授を推薦するのです。
他にも、妻の政子が娘・佐枝子の配偶者として、菊川教授が最適を進言したことも大きかったのでしょう。
菊川が大事な娘の結婚相手にふさわしい経歴であることはもちろん、息子が教授となれば、退官後も学内での自分の地位は変わらないと考えたのでしょう。
財前はすでに結婚をしており、彼ではできないことですからね。
東教授が財前五郎を教授にしたくなかった理由を整理すると、
①財前の傲慢で自信家な性格への嫌悪
②その性格で自分が蔑ろにされた
③退官後も影響力を行使することができないと考えた
④菊川と嫁を結婚させて自分の地位を固めることもできる
以上の4点からだと思われます。
東教授が財前五郎の教授就任を阻止した理由をもっと知りたい人はこちらをどうぞ。
まとめ
今回は、
●【白い巨塔】東教授が財前五郎に嫉妬した理由は?
●【白い巨塔】東教授が財前五郎を嫌っていた理由は?
●【白い巨塔】東教授が財前五郎を教授にしたくなかった訳を考察
これらについてまとめました。
以上となります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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