山崎豊子さんの小説「白い巨塔」。

 
2019年には岡田准一さん主演で再びテレビドラマされています。

 
作中では東貞蔵教授(役:寺尾聴)が、財前五郎准教授(役:岡田准一)の教授就任を阻止しようと、教授選で別候補を後押しするシーンがありました。

 
本来、東教授と財前は師弟関係にあるはずですが、なぜこのようなことをしたのでしょうか。

 
今回は、ドラマ「白い巨塔」で東教授が財前を教授にしたくなかった理由を深堀りしていきたいと思います。

【白い巨塔】東教授が財前五郎を教授にしたくなかった理由は?

ドラマ「白い巨塔」では、東教授が財前五郎の教授就任を阻止しようと動きますね。

 
本来であれば、弟子である財前の教授選の勝利を願うはずですが、自分の後釜を財前ではなく、石川大学医学部の菊川准教授へ受け継ごうとします。

 
東教授の知り合いの東都大学の船尾教授からの紹介でした。

 
ここで疑問に思うのは、東教授が、財前ではなく別大学の菊川をプッシュしたのか、という点でしょう。

 
これには主に3つの理由があります。

 
①財前は傲慢で自身過剰で教授向きではない
①財前への個人的な嫉妬
②財前が教授就任後の自身の扱い

【理由①】財前は教授に向いていない

これは表向きの理由です。

 
財前は腕が良いため自身過剰な性格であることは否めません。

 
東教授はそれだと、傲慢でいつか医局員からの忠誠心が離れていってしまうという理由で別候補を立てています。

 
大学の医局であるため、教授がそういえばそうなる、という面もあり、東教授はそれらしい理由をつけて別候補をプッシュしています。

 
残り2つは東教授の内面にある感情的な理由です。

【理由②】財前への個人的な嫉妬

【②財前への個人的な嫉妬】から説明します。

 
東教授は長年、財前に指導を行い、弟子として育ててきました。

 
しかし、財前は外科医としての実力をメキメキとあげ、東教授以上の執刀技術など能力を身につけ、世間もそれに対して多大な評価をしていきます。

 
当初は師弟関係、つまりは上下関係で結ばれていた2人ですが、財前の能力が高くになるにつれ関係が対等になり、そして、人知れずに逆転しつつに東は気づきます。

 
(ただ、表向きは教授-准教授という関係があるため、周囲はそんなことを考えておらず、あくまでも2人の心理面においてです)

 
そして、財前が自身を軽視し始めることで、嫉妬をし始めていきます。

 

【理由③】財前が教授就任後の自身の扱い

【③財前が教授就任後の自身の扱い】は、財前が東以上の力をつけたことで、教授就任後に東教授を軽視するようになっていくと感じたからでしょう。

 
もともと、財前は東教授の人間性に惹かれて師弟関係を結んでいたわけではなく、自身が教授になるために下についていただけです。

 
尊敬や敬意というより、出世のために東教授に従っており、あまり好いてはいなかったと思われます。

 
本来であれば、東教授は財前を教授にして、財前が教授に就任したあとも自身の影響力を浪速大学付内に残しておきたかったのでしょう。

 
しかし、財前が東を慕っていない本心を露骨に見せたことで、自身の影響力が今後は大学に残らないと考え、別候補を後押ししたのです。

【白い巨塔】東教授は財前五郎に嫉妬をした理由?

東教授は財前に嫉妬をしていました。

 
教授-准教授の関係でしたが、執刀技術や世間からの評価などで財前は東教授以上の力をつけ、関係が徐々に悪化していきました。

 
もともと2人は、

 
・東教授:父も医学者で代々医者の家系に生まれ、研究者のタイプ
・財前:貧しい家子供で名誉・名声が欲しい目立ちたがり屋で野心家

 
と、真逆の存在です。

 
医学に対する根本的な関わり方が違うため、考えも異なっていたのでしょう。

 
ただ、東教授は、財前の腕や名声が自分を超えたから嫉妬した、というわけではないでしょう。

 
財前の腕や名声が自分を超えたことに加えて、財前が傲慢になり、自分の存在を軽視することになったからです。

 
東教授にとっては2つ目の方が重要だったと思われます。

 
執刀技術などが自分を超えたとしても、財前が最後まで東教授を慕っていれば、嫉妬や嫌悪というマイナスの感情は抱かなったでしょう。

 
しかし、財前は自身の評判が高まってくるのと同時に東教授を蔑ろにしていった。(例えば、教授の自分が不在の間に雑誌の取材を受けて答弁をするなど)

 
そんな傲慢になっていく姿勢に東教授は嫌悪し、嫉妬心を露わにしていきます。

【白い巨塔】東教授は名誉のために菊川助教授を推薦した?

東教授が菊川助教授を推薦した理由は、自身の名誉を大学内に残し続けるためでしょう。

 
本来の東教授の青写真としては、財前を教授にして、自分は退官こそするものの「あの財前を育てた元教授」という形で浪速大学の中に一定の力を保持し続けたかったのでしょう。

 
それはお金には変えられない、「あの人はすごい!」という名誉・名声です。

 
しかし、財前が徐々に自分を蔑ろにし始め、最後は関係が悪化。

 
当初、思い描いていた青写真が完成されないと悟り、別の候補を立てて、自身の影響力を大学内に残しておきたかったのでしょう。

 
菊川が教授になれば、サポートした東教授をないがしろにするわけもなく、大学内に影響力を残したまま退官することができます。

 
東教授は代々医者の家系であり、父親も洛北大学附属病院長を務めた医学者という設定です。

 
お金以外の成果も非常に大事しており、自身としては譲れなかった部分なのでしょう。

【白い巨塔】東教授は娘・佐枝子のために菊川助教授を推薦した?

他にも、東教授の妻・政子の進言もありました。

 
これは財前とは直接関係ない部分ですが、東が推薦した菊川教授は将来的に娘・佐枝子の配偶者としても最適であるということ。

 
つまり、佐枝子が菊川と結婚すれば、自身の息子が教授ということです。

 
菊川を教授→結婚という形で取り込めば、退官後も菊川を通し、第一外科に影響力を行使できる可能性を見出していたと思われます。

 
財前はすでに結婚をしており、菊川であれば娘を含めた政略的な方法も可能というわけもありました。

【白い巨塔】東教授は財前五郎を嫌っていた?

東教授は当初は、財前を嫌っていなかったと思います。

 
流石に教授-准教授の関係のため、嫌悪する理由はどこにもないでしょう。

 
ただ、財前がどんどん傲慢で自身過剰になる姿勢に、東教授は嫉妬を覚え、いつしか嫌いになっていったのでしょう。

 
どちらが悪い、というわけではなく、研究者の東教授・執刀技術がピカいちの財前とタイプが異なる2人の性格面の違いではないでしょう。

 
財前は自身の成績を上げるために、手術不要な患者も手術をしたりしており、そんな姿勢も東教授の癇に障ったのでしょう。

 
一方で、財前の腕は確かであり、あれほどの野心があったからこそ、一流の外科になれたことも確かです。

 
白い巨塔の醍醐味としては、医局をベースにした人間ドラマがありますが、明らかな「善・悪」が描かれてないのが特徴です。

 
読者の中には圧倒的な財前支持派もいれば、東教授の気持ちも理解できる・・・という人が多いですね。

まとめ

今回は、

 
●【白い巨塔】東教授が財前五郎の教授就任を阻止した理由は?
 
●【白い巨塔】東教授は財前五郎に嫉妬をした理由?
 
●【白い巨塔】東教授は名誉のために菊川助教授を推薦した?
 
●【白い巨塔】東教授は財前五郎を嫌っていた?

 
これらについてまとめました。

 
以上となります。
 
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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