細田守の作品にはクジラが登場することで有名です。クジラにはどんな意味があるのでしょうか?

細田守の全作品でのクジラの意味と登場シーンをまとめました。

『サマーウォーズ』
『バケモノの子』
『時をかける少女』
『おおかみこどもの雨と雪』
『未来のミライ』

この中でも、ヒットした『サマーウォーズ』『バケモノの子』は深掘りして解説しています。

『サマーウォーズ』のクジラの意味

『サマーウォーズ』のクジラの意味を解説します。

「サマーウォーズ』ではOZの守り神として2頭のクジラが登場します。

名前は青いクジラがジョン、赤いクジラがヨーコです。

登場シーン


ジョンとヨーコは夏希がラブマシーンと花札で対戦したときに登場します。

ラブマシーンがどんどんOZのアバターを吸収していく中、守り神のジョンとヨーコだけは吸収されませんでした。

夏希が花札対決で世界中の人から応援されて「1億アカウント以上の委託を受けた」ため、レアアイテム「幸運」の条件を達成します。

この描写はライトノベルで下記記載があります。

自らの身に起きた変化に戸惑うナツキ。背後からサクマが叫ぶ。
「ジョンとヨーコは、レアアイテムを授けたんだ……!」

頭上を仰ぐと、花火を打ち上げて泳ぐOZの守り主2頭が、大きなフキダシを出していた。”YOU GOT RARE ITEM!”と言う文字とともに、レアアイテムの入手条件と効果を表示していた。
「入手条件は……1億アカウント以上の委託を受けること!?効果は、幸運値の上昇……ってそんな馬鹿馬鹿しい条件のアイテムがあるなんて知らなかったな……」

その後、ジョンとヨーコが夏希にレアアイテム「幸運」を渡します。

「幸運」を得た夏希は幸運値が急上昇し、アバターはグレードアップ。そのまま花札でラブマシーンを撃墜するのでした。

クジラの意味

ジョンとヨーコのネーミングにはピンときた人も多いでしょう。

名前の由来はビートルズのジョン・レノンとその妻のオノ・ヨーコ(小野洋子)がからつけられています。

オノ・ヨーコはジョン・レノンの妻という立場であり、世界的にも非常に有名な日本人です。

クジラの名前にジョン・レノン、オノ・ヨーコという国際的に認知されている名前をつけたのは、「捕鯨」という日本と切り離せない問題を海外の鑑賞者に連想させる狙いもあったようです。

また、クジラが最後に夏希をサポートしているのは、その壮大さで登場人物に勇気を与える意味もあると考えています。

『サマーウォーズ』は勇気を持って大きな試練に立ち向かう話ですが、クジラがサポートすることでよりスケールの大きさを実感することができます。

ライトノベルの描写

ライトノベルでもジョンとヨーコの登場シーンは明確に描かれています。

ジョンとヨーコが登場した後、下記のように夏希の身に変化が起きています。

これの描写はレアアイテムを取得した後、アバターのグレードがアップする瞬間です。

空を照らした花火のかけらが、うねりを打ってステージに降り注いだ。

驚くナツキの周囲を飛び回り、収束し、光の奔流となって彼女の羽織と袴をばたつかせる。

ナツキの黒髪が伸び、波打った。和太鼓を叩く効果音とともに、彼女が来た羽織に絢爛な刺繍が胸、袖、腰に刻まれていく。

横笛の音色が鳴り響き、絢爛な刺繍が施された帯が腰に巻きつく。

かき鳴らす琵琶の音に乗って、ナツキの唇に紅、目元に目張りが塗られる。

さらに背中には鳳凰の羽が生え、躍動的に羽ばたいて周囲を包む光を分散させる。

『バケモノの子』のクジラの意味

『バケモノの子』のクジラの意味を解説します。

『バケモノの子』では心の闇を拡大させた一郎彦がクジラの怪物に変身します。

水の塊のようなクジラで九太に遅いかかりました。

登場シーン


『バケモノの子』では一郎彦が九太と戦う際に、クジラのバケモノに変身します。

一郎彦は生来の人間ですが、幼い頃に猪王山が拾われて「バケモノ」として育てられます。以降、一郎彦も自分はバケモノだと思い込みます。

しかし、成長するに従い一郎彦は自分自身が人間あることに気づき始めます。そんな中で九太がバケモノの世界で人間として認められる姿に嫉妬を抱きます。

そして徐々に嫉妬心が憎悪に変化し、戦いの際に人間からクジラのバケモノに変化するのでした。

クジラの意味

クジラにある「大きな鼻と牙」は、人間の一郎彦が憧れても手に入らないものです。

バケモノにクジラを使ったのは一郎彦の欲望を爆発させた姿にピッタリだったのでしょう。

物語中でも、楓が蓮に小説「白鯨」の内容を説明するとき、

「クジラは自分を映す鏡、、、」
「実は、主人公は自分自身と戦っているんじゃないかな?」

と話しています。

このセリフ伏線であり、物語クライマックスで心の闇を開放された一郎彦がクジラのバケモノに変身しています。

九太の小説『白鯨』

『バケモノの子』では主人公の九太が小説『白鯨』を手にするシーンがあります。

1つ目は自宅のダンボールの鯨の児童書版「白クジラ」が入っていました。

もう1つは、蓮が図書館に行き無意識に手にした本が『白鯨』でした。

その後に先ほど記載した楓のセリフに繋がっていきます。物語の序盤からクジラが伏線になっていたわけです。

『白鯨』は1851年に発表されたアメリカの小説家・ハーマン・メルヴィルの長編小説です。

捕鯨船に乗船して捕鯨を行っていた人物の体験をもとに作られ、今ではアメリカ文学を代表し、世界十大小説の1つです。

『時をかける少女』のクジラの意味

『時をかける少女』でのクジラの意味を解説します。

『時をかける少女』では真琴が初めてタイリープをするとき、バックの映像がクジラになっています。

上記の動画をクリックするとそのシーンがわかりますよ。

登場シーン


真琴が理科準備室で床に落ちているタイムリープの実を見つけます。

そこで足を滑らせたこと、タイムリープの実を割ってしまうのです。その直後、生命の過去フラッシュバックが起きるたときに、クジラが映し出されています。

クジラの意味

クジラは哺乳類であり人間と親和性が高いため、映像化されているのでしょう。

脳重量比に人間に次ぐ生き物であり、非常に賢い海の生き物です。

生命の歴史を感化させるために海のシーンがあり、そのシーンでより人間を想起させる生き物としてクジラが用いられたと考えています。

『おおかみこどもの雨と雪』のクジラの意味

『おおかみこどもの雨と雪』のクジラを解説します。

『おおかみこどもの雨と雪』では、『サマーウォーズ』『バケモノの子』などとは少しテイストは違います。

百聞か一見にしかずのため、下記項目をご覧ください。

登場シーン



『おおかみこどもの雨と雪』は直接的にクジラは登場しません。

クジラが登場するは本の背表紙だけです。

作中で登場する本は実際に販売されています。

『未来のミライ』でのクジラの意味

『未来のミライ』のクジラについて解説します。

『未来のミライ』でも『おおかみこどもの雨と雪』で同様に一瞬の登場です。

登場シーン


くんちゃんの妹のミライちゃんの鼻に、お菓子の「おっとっと」がのっています。

その形をよく見てみるとクジラの形ですね。

くんちゃんが寝ているミライちゃんの鼻にクジラのおっとっとを載せる悪戯をします。

そのままミライちゃんが起きたためクジラのおっとっとがついたまんまになっています。

これは悪戯の演出のため、大きな意味はなさそうですが、しっかりとクジラが登場していました。

なぜ細田守作品でクジラが登場するか考察

では、なんで細田守作品でクジラが登場するのでしょうか。

これには明確な答えは発表されていません。

ただ、クジラを夢辞典で調べると

・『勇気』
・『大きな試練』
・『乗り越えなければならないもの』

という意味で出てきます。

クジラは地球上で最も大きい生物であり、知性も高いです。

その存在感は地球の守り神のようであり、"憧れ"、”神秘的"、"なくてはならない存在"です。

物語の壮大さや登場人物の勇気を伝える媒介として、クジラのイメージがぴったりなのでしょう。

まとめ

今回は、

●『サマーウォーズ』のクジラの意味
●『バケモノの子』のクジラの意味
●『時をかける少女』のクジラの意味
●『おおかみこどもの雨と雪』のクジラの意味
●未来のミライでのクジラの意味
●なぜ細田守作品でクジラが登場するか考察

これらについてまとめました。

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