2006年12月に公開された映画「鉄コン筋クリート」。

松本大洋さんの原作を巧みなアニメーションにより映像化されました。

作中では、クロの影響で餓鬼・イタチが登場しますが、正体は何者なのでしょうか。

今回は映画「鉄コン筋クリート」に登場するイタチの正体について深堀りしていきます。
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映画「鉄コン筋クリート」イタチの正体は?

映画「鉄コン筋クリート」イタチの正体について記載していきます。

映画「鉄コン筋クリート」のイタチとは?
伝説の餓鬼。

普段は牛の頭蓋骨の仮面を被っている。

闇の力を持ち、強大な相手であっても一瞬で片付けてしまう。

シロのことを「偽りの魂、偽善の代表者」と形容している。

正体はクロが創り上げた幻覚でもう1人のクロ。

キャラクター紹介では上記のように説明がなされています。

ただ、これだけだとわかりにくいと思うので、順を追って説明していきます。

まず、イタチの正体は「もう一人のクロ」です。

イタチの容姿から説明をすると、

・牛の頭蓋骨の仮面から覗く右目の傷
・手の傷

これらはクロとの共通点であり、クロ本人(=もう一人のクロ)であることは間違いありません。

イタチはクロの中にずっと潜んでいた存在あり、クロを闇の世界へ引きずろうとずっと待っていました。

二重人格のもう一人が、今か今かと表舞台へ進出しようと待ち構えていたのです。

映画冒頭、シロがマッチをつけるシーンで、牛の仮面が写っていますね。

これがイタチなのでしょう。

その後も登場をし続けますが、シロがクロに話しかけると途端に消えていきました。

イタチは闇の存在あり、純粋で正直なシロとは対面できず、常に隠れて登場の機会を伺っていたのでしょう。

イタチが初めて戦闘をししたのは、クロが蛇の手下2人に殺されそうになっているところでした(※原作↓)

空から降ってきて、「闇を怖れるな、クロ」とズバッと言葉を放ちます。

そして、それは同時に自らは闇の存在であることを示していましたね、

直後に「一瞬だぞ、よく見とけ。闇の力だ」と言葉を残し、蛇の手下を瞬殺します。

クロの中に潜み続けた闇であり、暴君ともいえます。

映画「鉄コン筋クリート」イタチは実在?幻?

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イタチの正体は、もう一人のクロであることがわかりました。

ここで疑問に思うのは実在か幻かという点でしょう。

これについては、下記2パターンだと推測されます。

・イタチは肉体的そのものはクロとは別であり、共に現実世界に実在している

→イタチはクロの闇から具現化されて登場した

・イタチはあくまでも幻であり、見ているクロは演出上存在している

→イタチが登場している時は、クロはあくまでも心理描写として描かれている

これについては前者、イタチとクロは別々の肉体として存在していると考えて良いでしょう。

つまり、おおもとのクロの中から、純正な闇だけの存在であるイタチが飛び出した、というわけです。

(イタチとしては今までクロの中にいたので、今度は逆にクロを自分の中に押し込たい・・・と考えており、最終的にはクロの存在取り込むことを考えています。)

イタチとクロが別々の肉体として存在する考える理由は、イタチが戦っている時にクロの肩に矢が刺さっている=物理的に存在している、からです。

この描写の意味を考えていくと、現実の世界にイタチとクロは共存していることを戦いにより表現したかったのでしょう。

また、宝町全体にイタチは「伝説の餓鬼」と浸透している背景から、イタチはクロだけに宿っているものではなく、同じような邪悪な気持ちが強い人が持つ一種の病のようなものだと思われます。

作中ではたまたまそれがクロであり、宝町の歴史では、多くの人の中にイタチがおり、必要に応じてイタチが登場していたのでしょう。

映画「鉄コン筋クリート」イタチとクロの関係は?

最後に、イタチとクロの関係について整理していきます。

イタチとクロは同一人物であり、イタチはもう一人のクロとして実在をしています。

イタチは闇の存在であり、これまでずっとクロの中に存在しており、外に出て具現化するタイミングを伺っていました。

そんな時、クロがシロと別れ、蛇の手下2人に敗れそうになったため、絶好機と捉えて登場したわけです。

クロが最も弱っている時に登場し、闇の力を最大限発揮でき、見せつけられると考えたのでしょう。

イタチの存在は、海外版では「ミノタウロス」として描かれているようです。

※ミノタウロスのイメージ(↓)

ミノタウロスは牛の頭を持ち、身体は人間という神話に登場する存在です。

呪いによって牛の頭として生まれ、歳を重ねるごとに凶暴になっていき、最後は殺されてしまいます。

イタチが牛の仮面をつけているのは。このミノタウロスをモチーフにしたからだといわれています。

話を戻しますが、イタチは闇の力で暴走を行い、最後はクロを飲み込もうと企てています。

ずっとイタチがクロの中にいましたが、今後はその関係性を逆にしようとしていたわけです。

しかし、最後はクロはシロとの絆を選び、街への憎しみは消えて誰に依存することなく生きることを選んだ(=心から闇が消えた)ため、イタチが存在できなくなって消えたわけです。

まとめ

今回は、

●映画「鉄コン筋クリート」イタチの正体は?

●映画「鉄コン筋クリート」イタチは実在?幻?

●映画「鉄コン筋クリート」イタチとクロの関係は?

これらについてまとめました。

以上となります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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