ドラマ「スパイラル〜町工場の奇跡〜」が放送されて話題になっていますね。

 
主人公・芝野健夫が勤務する「マジテック」という会社はリアリティ溢れる描写が多いですね。

 
この会社にモデルや元ネタ、実話部分などはあるのでしょうか。

 
原作の細かい描写も踏まえながら深掘りしてみました。

 
 

 

スパイラル町工場 マジテックの元ネタ

スパイラルでは、小さな町工場の「マジテック」という会社が舞台になっています。

 
景気の荒波やハゲタカ企業からの買収工作に揉まれながらも、従業員で会社を守り抜く様子が描かれています。

 
もともと、原作のハゲタカシリーズの3作目、4作目で「マジテック」は登場しています。

 
(スパイラル〜町工場の奇跡〜は4作目後の作品「ハゲタカ4.5 スパイラル」がドラマ化されました。)

 
過去作には登場しながらも、作品の都合で大幅なカットがされており、詳細が明らかにされていませんでしたね。

 
真山仁さんが「スパイラル」を書いた理由の一つに、中小企業を経営する難しさを描きたかったとあげています。

 

理由はいくつかありますが、1つは日本の企業は大企業だけではない、ということです。

(略)

「日本の高度成長を支えてきた原動力ともいえる中小・零細企業が内包する問題を見過ごしたままにはしたくない」と思っていました。

(略)

作中でも、マジテックの経営者である藤村登喜男が亡くなっている。

では、どう乗り切るのか。その答えは中途半端に出したくなかったのです。

だからこそ、独立した外伝としてやってみようと思いました。

小説家として物語を途中で終わらせるのは、読者に対して無責任と感じていました。

芝野のファンも多いでしょうから。ですので、連載終了後も取材を続け、考え続けました。

 
今回の元ネタについても同様に語っています。

 

東京都大田区や愛知県などの町工場を幾つも取材しました。

取材では、町工場が日本の製造業を支えていると実感した一方で、経営がかなり苦しいこともあらためて認識しました。

 
元新聞記者の真山さんが実際に町工場に足を運び、ネタを仕入れていったようですね。

 
真山さんは同志社大学を卒業後、当時の中部読売新聞(現在の読売新聞・中部支社)に在籍し、フリーランス・作家へと転身しています。

 
実話をそのまま作中に落とし込んでいるわけではなく、現状を整理した上で構成を練っていると思われます。

 
これまでは外資系や日本の大企業を舞台にした作品が多かったですが、今作では日本の中小企業が向き合う現実をネタにして、物語が描かれています。

 
原作を読んでのリアルな部分は大きく分けて5つあります。

 
・創業社長が亡くなり、会社のブレーンを失う
・不景気で中小企業の経営が悪化する
・大企業が有力な技術の特許を狙いM&Aを仕掛ける
・創業者の長男は別企業で働いており、後継がいない
・町の工業地帯で仕事の奪い合いが始まる

 
これらは現在進行形で日本の中小企業が抱える課題であり、物語では鮮明に描いています。

 
企業としての体力が大企業に劣り、創業社長の力で成り立っている中小企業が、困難にどう立ち向かい、解決をしていくのか。

 
スパイラルは非常に社会性に溢れたテーマを選らんでいます。

 

スパイラル町工場 マジテックのモデル会社・企業

 
原作では、主人公・芝野健夫がマジテックという小さな製造会社に勤めるところから話が展開していきます。

 
恩人であるマジテックの創業者・藤村登喜男(役:平泉成)が急死し、大手電機メーカーのCRO(最高リスク管理責任者)の座を降りてまで、助けたいと思った会社です。

 

マジテック 概要

モデルの会社を探すためには、原作にある細かい描写まで読み取っていく必要がありますね。

 
原作をベースに芝野が加わる前のマジテックの特徴を明記しました。

 

会社名マジテック
所在大阪府東大阪市森下
社員数社長含めて8人
社長藤村浅子
※藤村登喜男の配偶者
年間売上3億円
債務残高2億4,000万円
工場の広さ50坪

 
東大阪市の「森下」とありますが、実際に郵便番号を検索しても「森下」という地名はなく、フィクションだと思われます。

 
社員8人で年間売上3億円は決して低くないですが、利益率が非常に悪いため、利息を返すのが精一杯の状況です。

 
事業内容は「商品開発・設計・製作」です。

 
事業における創業者の藤村登喜男の力が非常に大きく、急死した後に行き詰まってしまい、芝野が入社を決意します。

 
余談ですが、原作ではマジテックの前身は「なにわのエジソン社」という会社で、藤村登喜男自身も「なにわのエジソン」と呼ばれていました。

 
そして、作中に出てくるマジテックの武器は2つあります。

 

マジテック・ガード
幼児用の自立補助器。

背骨を補強して四肢の動きを助ける機器。

原作では、四肢が不自由になる先天性多発性関節拘縮性という病を持つ正木希美(女性・2歳)が、装着している。

寝たきりの生活だったが、装着後に自立して歩けるようになる。

しかし、維持費だけでも年間300万円が発生し、作中ではコストダウンの方法を模索している。

3Dプリンター
3DCAD、3DCGデータを元に立体(3次元のオブジェクト:製品)を造形する機器。

通常のプリンターのように紙に平面(二次元)的に印刷する形式や、鋳型を作って造形材を充填・固形化する形式と異なる。

日本語では立体印刷機(りったいいんさつき)とも言う。
(wikipedia.org)

 
1つ目のマジテック・ガードはネーミングからしてオリジナルの商品でしょう。

 
2つ目の3Dプリンターの概要はいうまでもありませんが、物語は2007〜2008年を舞台しており、作中では珍しくクライマックスで大きく活躍します。

 
3Dプリンターは正確には発明ではなく、新規の導入になりますが、途中から入社する久万田悟郎の力で利用が可能になります。

 

マジテック モデルの会社・企業

マジテックのモデルの企業はどこなのでしょうか。

 
現在では具体的には公表されておらず、項目ごとに絞っていくしかなそうです。

 
会社の所在を整理すると、原作者の真山さんは「東京都大田区と愛知を取材した」と話していますが、原作での場所は「東大阪市」になっています。

 
場所を基軸に考えると、東京都大田区・愛知県・東大阪市の3つに絞られてきますね。

 
原作の「マジテック・ガード」はオリジナルの商品ですが、「3Dプリンタ」の導入は現実的に行えるため、上記3つの箇所で3Dプリンタを導入している企業が有力ですね。

 
実際に導入している企業をデータベースサイト「IPROS」で調べたところ、

 
・大田区:2社
・愛知県:13社
・東大阪:3社

 
上記の会社数で3Dプリンターが導入されていることがわかりました。

 
その中で、3Dプリンタ、中小企業(ここまで従業員50人未満)、発明やものづくりに特化の3点に該当する会社をピックアップすると・・・

 
・株式会社イナック ~試作のコンビニエンスストア~(愛知県岡崎市)
・株式会社システムクリエイト【デジタルものづくり創造企業】(大阪府東大阪市)

 
の2社が該当しますね。

 
しかし、現在の両者の事業内容とマジテックを比べると、物語が2007〜2008年ということを考慮しても大きな差がありますね。

 
(マジテックの規模が小さく、展開している事業も少ない)

 
原作者の真山さんは元新聞記者のため、十数社のあらゆる情報を集めて、マジテックをつくられたのでしょう。

 
ピンポイントでモデル企業までは特定できませんでした。

 

まとめ

スパイラル町工場の奇跡、モデルの会社や元ネタ・実話について調べてみました。

 
正確な情報までは公表されておらず、原作者により細かく取材をして、構成させているのでしょう。

 
一方で、様々な企業を取材されたからこそ、普遍的なリアルを描き、視聴者や読者の共感を生んでいると思われます。

 
 

以上となります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 
 

Twitterでフォローしよう