2005年5月7日に公開された映画「交渉人真下正義」

『踊る大捜査線』のスピンオフ映画・第一弾として公開され、興行収入42億円の大ヒットを生み出しました。

物語では、犯人は弾丸ライナーこと羽田裕一であるところまで突き止めましたが、最後はわからず仕舞いでした。

一体、真犯人は誰だったのでしょうか。

今回は、映画「交渉人真下正義」の犯人ついて深掘りをしていきます。

映画「交渉人真下正義」の概要

「交渉人真下正義」は、2005年5月に制作・公開された『踊る大捜査線』シリーズの番外編作品です。

本作のあらすじは、東京の地下を走る地下鉄『最新鋭試験車両クモE4-600』が突如謎のテロリスト『弾丸ライナー』によりハイジャックをされたことで、警視庁刑事部交渉課準備室 課長の交渉人である真下正義がこれを止めるというサスペンス映画となっています。

公開当時は、『踊る大捜査線』シリーズのファンからは称賛されていたものの、映画のヘビーユーザーなどからはパクリ疑惑などをかけられ批判が集中しておりました。

ちなみに、交渉人という存在ですが、現在日本の警察ではこの手の交渉に特化した交渉人つまりネゴシエーターは実在していないといわれています。

映画「交渉人真下正義」の犯人は誰だったのか

映画「交渉人真下正義」では、犯人は弾丸ライナーこと羽田裕一という人物であることは把握しておりました。

しかし、羽田裕一は事件以前の1996年にすでに死亡していたことが明らかとなりました。

このことから、犯人は結局のところ誰であったのかは不明となっています。

犯人は複数人いた

映画「交渉人真下正義」の犯人である「弾丸ライナー」ですが、これは実は集団グループであったのではないかといわれています。

あくまで真下と接触した一人もグループの中の一人でしかない可能性があり、一部サイトでは亀山プロデューサーが複数犯人説についでも言及しておりました。

このことから、犯人は集団グループで「弾丸ライナー」はその一人でしかないあるいは複数の人間が共有しているのが「弾丸ライナー」である可能性があります。

犯人のキャストを演じていたのは誰か

それでは、「交渉人真下正義」に登場する犯人である弾丸ライナーを演じていたのは一体誰なのでしょうか。

「交渉人真下正義」に登場する犯人である弾丸ライナーを演じていたのはなんと俳優ではなくスタッフであったといわれています。

『公式ガイドブック「交渉人 真下正義」完全FILE 』ではクランクインに入る前に複数のスタッフの声を加工しつなぎあわせたものが、弾丸ライナーの声であると明かされています。

映画「交渉人真下正義」犯人の弾丸ライナー(羽田)の正体は灰島弁護士?

ファンの間では、映画「交渉人真下正義」で弾丸ライナーの正体は、灰島秀樹(弁護士・灰島法律事務所所長)ではないかといわれています。

灰島は「交渉人真下正義」と同年に制作された映画「容疑者 室井慎次」に登場する嫌味な弁護士キャラとなっています。

灰島が犯人だといわれる根拠は「クモE4-600のキーホルダー」です。

映画内では、犯人の車の中に「クモE4-600のキーホルダー」がかけられており、犯人の手がかりかのように強調されていました。

灰島が初登場するのは、次作のスピンオフである映画「容疑者室井慎次」ですが、その作中で同じ「クモE4-600のキーホルダー」をゲーム機にぶら下げています。

他にも、

・灰島本人が非常に頭の切れる人物
・機械やメカニックに強い部下がいる
・一人でなく部下を使い複数で動ける
・警察組織(=権力)に対して反骨心が強い

など、アイテムの共通点、頭の良さ、犯行の実行力は十分に揃っています。

しかし、下記2つの疑問点があります。

・「踊る」の世界ではグッズなどは共通認識であり、灰島意外も購入することができる(偶然の可能性)
・灰島が犯罪まがいのことをする理由がない(金にならない仕事はしない主義)

いくら警察組織(=権力)に対して反骨心が強いとはいえ、地下鉄の乗っ取りは国家テロに近く、リスクを犯してまで行う理由がありません。

「真実はお金にならない」と作中でも語っており、無駄な犯罪を犯す動機が弱いです。

もし、警察を貶めたいのであれば、弁護士として法廷でケリをつけたほうが、灰島にとっても評判が上がり報酬を得られるため、メリットが大きいのではないかといわれています。

こういったことから可能性はあるものの、その確率は低いということがわかります。

映画「交渉人真下正義」犯人の弾丸ライナー(羽田)の正体は小池茂?

もう一人は、小池茂(警視庁刑事部交渉課準備室CICルーム係長)です。

小池茂とは「交渉人真下正義」にも登場したキャラクターです。

小池に関しては、すでに映画「踊る FINAL」で久瀬智、鳥飼誠一と結託をして真下の息子を誘拐するなど犯行を犯し、逮捕されています。

後付けになりますが、そういう意味では"犯罪者気質"は兼ね備えています。

さらに、小池に関しては下記の点でも有力視されています。

●黒いカラスの登場
映画「踊る2」の段階で、小池は監視システム「カラス」を発明しています。

そして、映画「交渉人真下正義」では黒いカラスが犯人の存在を示すかのように飛んでいます(特に、ラストで地下駐車場を車があるとき)。

つまり「黒いカラス=小池」を暗喩している表現であっても不思議ではありません。

●弾丸ライナーの声帯分析
作中で、弾丸ライナーの声を分析したのは小池でした。

声帯分析から犯人が羽田裕一ということが判明しており、この分析は物語でもキーポイントになるシーンでした。

しかし、仮に小池が犯人であれば、自作自演をすることは十分に可能です。

彼は警察内部の人間であるため、予め羽田という死亡した人間の声を使い、犯人の声を作りあげることは不可能ではありません。

ただ、小池が犯人であれば、別に協力者がいないと弾丸ライナーを動かすことができず、真下との電話は誰がやっていたのか?という疑問が払拭できないのも事実です。

映画「踊る FINAL」で久瀬智、鳥飼誠一と結託をしたのは、6年前の事件(2006年)であり、2005年の段階では3人は犯行を計画していません。

そのため、小池も灰島同様に動機が薄いため、犯人という確証がないのが実情です。

映画「交渉人真下正義」犯人は「パトレイバー」へのオマージュだった

これは非常に有名な話ですが、映画「交渉人真下正義」は1989年に公開された映画「機動警察パトレイバー the Movie」へのオマージュであふれているといわれています。

というのも、「踊る」シリーズの本広克行監督は押井守さんの作品に大きな影響を受けており(猛烈なファン)、そのため、映画「交渉人真下正義」でもそのテイストがかなり色濃く演出されており、さらには本広監督自身、「踊る」シリーズがパトレイバーからの影響を受けたことを公言しています。

「機動警察パトレイバー the Movie」に登場する犯人の名前は帆場暎一とされています。

映画「機動警察パトレイバー the Movie」において、犯人である帆場暎一は超高層ビルを乱立させることで、東京の景観を汚す人々に怒り、鳥類たちに東京を戻すためにテロを行うように模索します。

その一方で、「交渉人真下正義」の犯人は羽田裕一とされています。

これは比較すると名前が似ていることがよくわかります。

パトレイパー:帆場英一(ほばえいいち)
交渉人真下正義:羽田裕一(はばゆういち)

また、「機動警察パトレイバー the Movie」において犯人の帆場暎一は事件発生前にすでに死んでいることから、「交渉人真下正義」の犯人は羽田裕一もすでに故人であることから、これらはオマージュであったといわれています。

ほかにも元ネタが

また、弾丸ライナーの正体とされる羽田裕一が正体がわかることなく爆破して表向き死亡するというオチについてですが、これは映画「交渉人真下正義」の元ネタとなったスティーブン・スピルバーグ監督のサスペンス映画「激突」のオマージュであるといわれています。

「激突」は、謎のトラック運転手に目をつけられた追いかけまわされたあげく、トラックで轢かれそうになってしまうサラリーマンがカーチェイスの末になんとかトラックを罠にはめて運転手ごとを殺すことに成功をしますが、運転手の正体は結局把握できないというオチで終わります。

本編劇中では描かれませんでしたが、このトラック運転手は実は連続殺人鬼のサイコパスであったことが後々インタビューなどでわかりました。

恐らく弾丸ライナーの正体がわからないという部分は「激突」のトラック運転手も元ネタとなっているとみられます。

まとめ

今回は、交渉人真下正義の犯人のキャストは誰?弾丸ライナーの正体は灰島と小池?【ネタバレ】というテーマについてお話しします。

・「交渉人真下正義」は2005年に制作された「踊る大捜査線」シリーズの作品
・「交渉人真下正義」の犯人である弾丸ライナーは複数犯説があり、正体は不明となっている
・「交渉人真下正義」の犯人である弾丸ライナーは灰島弁護士や小池茂が正体なのではないかといわれているが詳しくは不明
・「交渉人真下正義」は「パトレイバー」や「激突」のオマージュで満ちている

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