映画『竜とそばかすの姫』で主人公の内藤鈴が歌えない理由を解説します。
鈴が歌えない原因はどこにあるのでしょうか。
鈴の過去や母親の死を深掘りしながら、鈴が歌えない理由をネタバレでまとめました。
この記事は映画の内容を元にしながら、細かい点で原作小説も参考・引用しています。
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この記事の目次
【竜とそばかすの姫】鈴が歌えない理由
#すずの住む世界
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合唱隊の練習中も、
歌うことが出来ず楽器の下に隠れるすず。#竜とそばかすの姫#7月18日公開#細田守#スタジオ地図 pic.twitter.com/TpuxdeDuoL— 『竜とそばかすの姫』細田守最新作@スタジオ地図 (@studio_chizu) May 28, 2021
『竜とそばかすの姫』の主人公の鈴は昔は歌うことが大好きでしたが、物語本編では歌えなくなっています。
なぜ、鈴は歌えないのか。その理由をネタバで解説します。
原因は母親の死
鈴が歌えない理由は、母親の死がトラウマとして残っているからです。
歌が大好きだった母親を幼少期に亡くしたことで、鈴は自然と歌えなくなってしまったのです。
順を追って解説していくと、鈴は幼少期から母親のことが大好きであり、一緒に歌を歌って遊んでいました。
鈴の母親は大の音楽好きであり、部屋の棚に古いカセットテープやレコードがぎっしりと詰まっていて、大きいスピーカーも置いてありました。
ジャスやクラシックの歴史あるコレクションを揃えているだけでなく、自らも聖歌隊に所属して歌を歌っていたのです。
鈴が5~6歳の時、母親のスマートフォンアプリで見様見真似で作曲し、その曲に合わせて母親が歌ってくれました。
鈴はその時間について原作小説では「転げ回りたいほど幸せ幸せな時間」と表現しています。大好きな母親との一緒に音楽に触れることは、鈴とって至福の時間でした。
母親の死はいつ?
まだ鈴が小学校低学年のとき、母親と鈴が川で遊んでいると大雨が降ってきました。
大雨だけならよかったですが、川を見ると見知らぬ4、5歳くらいの少女がひとりで中洲に取り残されていました。
鈴の母親は少女を助けるために川に飛び込みます。無事に少女を助けることに成功しますが、自分は川の勢いにのまれて死んでしまうのです。
鈴も他の大人たちと川の付近にいるため、少女が助かり、母親が死んだことは当然認識しています。
目の前で母親が死んでしまったことがトラウマになり、母が大好きだった「歌」を声に出せなくなっていたのです。
原作小説では鈴の心情について下記のように書かれています。
その事故から、以前のわたしとは決定的に何かが変わってしまったように思う。
(略)
そして母さんと一緒に歌った曲を歌った。
だが、歌い初めて、全く歌えなくなってしまっていることに気づいた。
声が喉奥で引っ掛かったようになり、口の外に出てくれない。混乱した。
心の中の何かが歌うことを抑圧していた。小説『竜とそばかすの姫』P39~40
ねえ母さん。私、なんで歌えなくなってしまったんだろう?
あれほど歌うことが楽しく、必要に思えたのは、母さんが聴いてくれていたからだということは、明らかだった。小説『竜とそばかすの姫』P40
優しい母親だったからこそ、少女を助けないという選択はなかったのでしょう。
鈴の母親に死因について詳しく知りたい人はこちらをどうぞ。
聖歌隊に所属
物語本編では鈴は高校生となっていますが、歌をまともに歌うことはできません。
しかし、鈴は地元の聖歌隊のメンバーとして活動しています。
聖歌隊は母がかつて所属していて、鈴の心情を汲み取った現在のメンバーが鈴を練習に誘ってくれたのでした。
鈴はここでも歌うことができないため、練習を見守りながら、声にならないほどの声でこっそりと音を合わせる程度です。
聖歌隊のメンバーは鈴を除く全部で5人。聖歌隊のメンバーは鈴に歌うよう誘いますが、なかなか鈴は歌おうとしません。
漁師や医師、大学講師などバラエティに飛んだメンバーであり、本編でも何かと鈴をサポートしてくれる良い人たちです。
【竜とそばかすの姫】鈴の過去のトラウマ
[the_ad id="5494"] 鈴は過去のトラウマから、歌うことができていません。トラウマの内容を整理すると、下記になります。
・歌を聴かせたい母親がいない
・歌を歌うことに意味を見出せない
鈴は最愛だった母親が死んだことで、歌うことに意味を見出せなくなっていきます。
鈴にとっては歌うことは自分自身が大好きだったこと以上に、大好きな母を喜ばせるためのツールでもありました。
その母がいなくなったことは鈴の心に大きく傷をつけ、無気力にさせ、歌を大きく遠ざけてしまったのです。
だが、歌えないからと言って、客観的には、だからなんなのだ、ということになる。
何も困らないじゃないか。歌えないとしても、誰も何も咎めない。
ただ人生は続いていくだけだ。小説『竜とそばかすの姫』P40
ベルは歌える
鈴は実世界では歌えませんが、〈U〉のアバターであるベルとしては歌うことができます。
〈U〉のボディシェアリング技術は優れているため、その人にねむっている潜在的なの能力も〈As〉では使うことができるようになります。
鈴はもともと母親と一緒に歌を歌っていて、その歌声も綺麗でした。ポテンシャルも非常にある少女だったことで、〈U〉の世界では歌姫のベルとして君臨するのです。
鈴はベルになった瞬間、歌うことを試み、成功させています。
ベルの歌声は〈U〉の登録者を魅了し、瞬く間に全世界から支持される”歌姫”として君臨するのです。
【竜とそばかすの姫】鈴は最後に歌える
最終的にはベルとしてではなく、鈴自身で歌えるようになります。
竜のオリジンの恵(けい)は弟・知(とも)とともに父親から虐待を受けていて、鈴はなんとか2人を助けようと試みました。
恵はこれまでに多くの大人から助けると言われて見捨てられてきたため、かなり人間に不信感を覚えてるようになっていました。
そこで鈴は、ベルではなく本当の自分を恵(竜)に見せ、真剣に向き合うことを歌を通して伝えたのです。
鈴は〈U〉で自らの意思であえてアンベイルされ、ベルではなく鈴として歌声を響かせました。
その歌声はベルの時と寸分も変わらず、全世界の〈As〉を魅了していきました。
最終的に鈴は恵とコンタクトを取ることに成功し、2人を父親から助け出すのでした。
まとめ
今回は、
●【竜とそばかすの姫】鈴が歌えない理由
●【竜とそばかすの姫】鈴の過去のトラウマ
●【竜とそばかすの姫】鈴は最後に歌える
これらについてまとめました。
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