2016年8月26日に公開された映画「君の名は。」

物語のクライマックスで、三葉が父で町長の宮水俊樹を説得したことで、ティアマト彗星から糸守を救います。

父親の俊樹は直前まで彗星の墜落は信じていませんでしたが、なぜ三葉は説得できたのでしょうか。

また、作中では"避難訓練で救出できた"と表現されており、なぜそうなったのかも謎ですね。

今回は、映画「君の名は。」で三葉が父親の俊樹を説得できた理由、避難訓練の謎の2つについて深掘りをしていきます。
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映画「君の名は。」三葉が父親を説得できた理由は?

映画「君の名は。」三葉が父親であり町長の俊樹したため、ティアマト彗星から糸守を救うことができました。

ただ、父親の俊樹は頑なにそれを疑っており、放送室の名取早耶香(さやか)を職員を使って追い出してしまいます。

最後は三葉の説得により救助に成功しており、人々はほとんど生き残ることができました。

まずは、三葉が父親を説得できた理由について記載していきます。

三葉が説得できた理由は、逆説的にいえば、父親が説得された理由となります。

そして、父親が説得された理由(父親での視点)について、小説「君の名は アナザーサイド」に記載があり、その内容を踏まえがら解説をしていきます。

俊樹が説得された理由については、自身の過去と密接に関わっており、

・父親の俊樹と二葉の関係
・父親の俊樹が町長となった理由

この2つを知ることが大切になります。

父親の俊樹と二葉の出会い

映画では細かく描かれていませんが、父親の俊樹と二葉(三葉の母親です)は結婚をして、その後に二葉は亡くなっています。

俊樹は婿養子であり、町長の前は宮水神社の神主だったことも描かれていましたね。

しかし、二葉の死後に俊樹は宮水神社の神主を辞め、家を出て町長となっています。(苗字は宮森のため戸籍はそのままです)

2人が出会った当時、俊樹は大学所属の民俗学者、二葉は宮水神社で手伝いをしていました。

研究の一環で俊樹が宮水神社を訪問した際、対応したのが二葉であり、二人は仲を深めていきます。

初対面の時、二葉は俊樹の顔を見て久しぶりに会った友人を迎えたような様子で「あらっ」と微笑んだそうです。

以前からずっと探して運命の人に出会ったような感覚でした。

2人はその後に宮水神社の歴史について話し合いつつも、次第にお互いについて知り合いたいと思うようになっていきました。

俊樹は研究という建前から何度も宮水神社へ通い、最終的には交際→結婚に至ったわけです。

しかし、2人の結婚に対して、一葉は決して肯定的ではありませんでした。

伝統的な宮水家の嫁を外の人間に渡すわけにいかないと考えたのでしょう。

そこで一葉が結婚への条件に、俊樹が大学を辞めて婿養子になることを提示します。

2人はそれを飲む形でようやく結婚をすることができ、三葉、四葉と共に幸せの日々を送っていたのです。

二葉の死の理由

しかし、ある日、二葉が病気にかかり死んでしまいます。

しっかりとした医療機関や処置の仕方で十分に手を施せた病でしたが、二葉は現代の西洋医学での治療を拒否し、自分の運命に従うように死んでいったのです。

周囲の町民、そして、母の一葉でさえも「二葉の死は抗うことのできなかった運命だった」と言う始末。

俊樹は、死に対してあっけない態度を人や、嫁の死を神格化する町全体の風習に激怒します。

二葉は死の直前、「これがお別れではないから」という遺言を残していきます。

さらには生前から「この世のすべてはあるべきところに収まるんやよ。」とも話しており、運命に抗うことしない考えでした。

ただ、俊樹としては人間の「死」まですら「運命」と考えてしまう町の風習に我慢できませんでした。

二葉の死因は免疫系の病気です。「二葉の死」について詳しく知りたい人はこちらをどうぞ。(別タブで開きますのご安心ください)

俊樹が町長となった理由

二葉の死後、俊樹が町長になることを目指します。

"しっかりとした医療機関があれば二葉は死ななかった"という自責と後悔の気持ちからです。

構造改革を掲げ、町長選に乗り出して2年後に当選して現職になります。

当時から地元の有力な建設会社である勅使河原建設(テッシーの父親の会社)へ根回しをはかり、自身の「宮水」のブランドも使って支持を盤石なものにしてきました。

俊樹は二葉と結婚をしたものの、「宮水家」が先祖から持つ盲信的な風習(言い伝え、慣習)を毛嫌いしており、自宅とも距離を置くようになっていきます。

町長選に乗り出してからはアパートを借りてそこで勉強や政治活動を行い、子供の三葉・四葉とも疎遠に。

三葉は「自分たちは父親に捨てられた」と思い込み、一方、俊樹も成長する三葉・四葉が二葉の姿と重なり積極的に会うことができませんでした。

父親の俊樹の記憶が目覚める

[the_ad id="5494"] 町長となり町の構造改革を目指す俊樹。

宮水家の伝統を守り生活をする三葉。

お互いにとってあたり前の日々を過ごしている時、俊樹の元に別人のような口と態度の三葉が町長室に入ってきます。

ここでの三葉は瀧の入れ替わりです。

町長室に入るや、「ティアマト彗星が街に衝突するから避難しろ」と胸ぐらを掴んで命令してきます。

あまりにも普段と違う娘の態度に俊樹は「お前は誰だ」と反論をするのです。

三葉を町長室か追い出した俊樹は、かつての二葉の遺した言葉を思い返すのです。

これがお別れではないから
この世のすべてはあるべきところに収まるんやよ。

当時は意味がわからなかった言葉でしたが、避難をさせて街を救うという三葉(中身は瀧)の言葉が妙に胸につっかかります。

なんで三葉は緊急避難という嘘をつくのか。いや、緊急避難に何か意味があるのではないか。

そんな時に変電所の爆発や名取早耶香(さやか)の放送ジャックが起きます。

そして、これまで疎遠だった一葉と四葉が町長室に訪問をして、三葉の様子がおかしいということを告げるのです。

話を聞いていた時、息を荒げて服が汚れた三葉は真剣な表情で彗星について語り始めます。

異常自体を察した俊樹は窓を開けて空を見上げます。

空に彗星が綺麗に動いていましたが、いずれ二つに割れ、三つ・・・四つ・・・と複数に割れたその欠片が飛び散り始めていたのです。

父親の俊樹が糸守町を救う

「あるべきところに収まるんやよ」という二葉の言葉を思い出し、俊樹は自身の運命を信じます。

なぜなら、彗星から町民を救えるのは避難指示を出せる自分だけだからです。

俊樹は二葉が言った言葉の意味を知り、避難するように町長として行動を始め、被害を最小限に止めることに成功するのです。

また、俊樹が最後に三葉の言葉を信じたのは、一連の流れから俊樹自身も入れ替わりがあったからだと思われます。

これについては、入れ替わった三葉に対して言った「お前は誰だ」からこ考察できます。

さらには映画で二葉が死んだシーンで「救えなかった」と悔しむ俊樹の姿があります。

この言葉の意味としては、過去に入れ替わりで二葉が病気になる未来を知っていたにも関わらず、何もできなかった自責の念からだと推測できます。

入れ替わりについては記憶が薄れてしまっていましたが、「入れ替わった三葉」が登場したことで潜在的な記憶が呼び起こされ、反射的に「お前は誰だ」と言ったのでしょう。

そして、その後に一葉と四葉が町長室に訪問をした際、曖昧だった記憶が確固たる確信に変わったとのではないでしょうか。

俊樹「お前は誰だ」と二葉の入れ替わりについて詳しく知りた人はこちらをどうぞ。(別タブで開きますのご安心ください)

映画「君の名は。」避難訓練の謎を考察

映画「君の名は。」が、糸森がティアマト彗星から救われた理由は、「町で避難訓練が行われており、高校に人が集まっていたから」とされています。

なんで最後は"避難訓練"となっていたのでしょうか。

これについては明確に映画でも小説でも明らかにされていませんが、俊樹が機転をきかせて報道陣向けに出した表向きの理由でしょう。

そもそもあの状況下では普通はティアマト彗星の落下は予想できないので、「ティアマト彗星の落下があるため・・・」と言ってしまっては、「じゃあ、なんでわかったの?」と聞かれるのがオチです。

俊樹が彗星の落下を知ったのは三葉からであり、一般的にはかなり非現実的な方法で知り得ています。

そんな中で入れ替わりや神社の神から・・・なんて言葉を使えば混乱が起きるだけでなく、上記で説明した通り糸森の古い慣習からの構造改革に水をさしてしまいます。

他にも、三葉とテッシーによる変電所の爆破、さやかによる放送ジャックなどの問題も抱えています。

特に三葉とテッシーによる変電所の爆破は非常に大きな問題であり、町長の娘と勅使河原建設の社長の息子が揃って悪さをしたことがバレれば、町長選にも大きな影響を与えてしまいます。

そこで、変電所の爆破は彗星が落ちたからともみ消し、さやかによる放送ジャックは避難訓練の日付の連携ミスということにすれば問題にもならないでしょう。

避難訓練そのものは後付けであり、町民のほぼ全員が校庭にいる出来事から逆算をして、俊樹が表向きの理由として伝えたのだと思います。

まとめ

今回は、

●映画「君の名は。」三葉が父親を説得できた理由は?

●映画「君の名は。」避難訓練の謎を考察

これらについてまとめました。

以上となります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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