2019年4月から吉高由里子さんが主演するドラマ「わたし、定時で帰ります。」、通称「わた定」が放送されます。

今回のドラマも期待されていますが、原作小説も面白いと好評です。

原作小説とドラマ放送では、異なるあらすじや内容の作品も多いですが、わた定はどうなのでしょうか。

原作とドラマの違いについて調査してみました!

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わたし、定時で帰ります。原作小説の概要

わた定は、2018年3月に新潮社より発行された朱野帰子さんの小説です。

「定時帰り」「残業ゼロ」をモットーに掲げる32歳の女性社員が、社内の問題を次々と整理しながら、仕事と人生の意味について考えていく新しいワーキングストーリーとなっています。

日本社会にはびこる残業問題(長時間労働、サービス残業、過労死・・・)にフォーカスをあてており、現代に働く会社員から共感を得られています。

題材は社会性に富んだ内容ですが、ストーリー展開もコメディ調でテンポ良く話が進んでいきます。

主人公・東山結衣のキャラクターは元気で非常に親しみやすく、読んでで応援したくなりますね。

原作の単行本は約300ページの構成ですが、あっという間に読み終えることができますよ。

わたし、定時で帰ります。原作小説のネタバレ

原作小説では1つのストーリーを基軸にし、全部で5つの章から構成されています。

主人公の東山を中心に物語が展開されていきますが、各章ごとで各脇役がピックアップされていき、各々の価値観で仕事と人生に向き合っていくことを決めるのです。

●第一章 皆勤賞の女・・・三谷佳菜子
●第二章 スーパーワーキングマザー・・・内田有紀
●第三章 会社に住む男・・・柄本時生
●第四章 期待の新人・・・泉澤祐希
●第五章 仕事が大好きな人・・・向井 理

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基軸となる物語は、WEB制作会社に勤務する東山が、元婚約者の種田からある案件のチーフに任命されて展開していきます。

しかし、その案件は、種田の前職の社長であり現部長の福永がとってきた「赤字案件」。

本来であれば予算5,000万円のところ、3,500万円で引き受けるという無理難題な内容でした。

当然、WEB制作では必須である外注もできず、チームはサービス残業・休日出勤を重ねます。

定時帰りを決めていた東山までもが、残業を1時間・・・2時間・・・と増やしていくのです。

福永は社員より早く帰宅しながらも、日中ではWEB制作に必要なコードを「美しくない」と言い放ち、部下達をそのまま徹夜させる始末。

当然、徐々にチームの進捗は遅れ、東山をはじめ社員には疲労が蓄積していきます。

それにも関わらず、福永は、チームのメンタル強化を促すと連日徹夜の社員達に無意味な「朝活」まで強要させるのです。

「明日から朝をしよう。一冊ずつ経済の本を読んできて。感想を言い合おう」

誰も口をきかない。しかたなく(東山)結衣が言う。

「あのう、それは、何のために?」



「精神が肉体を超えるって言葉、聞いたことない?」福永は言った。

さらに、周囲を巧みにコントールしながら、最後に福永はこう言い放つです。

みんな、僕と一緒に死んでくれ!

「・・・でもさ、たとえ寝なくても、飲まず食わずでも、負けたくないって気持ちが強ければ奇跡は起こる。赤字にはならない。・・・」

東山は、そんな言葉に拒否する気持ちを抱きながらも、空気に飲まれてしまいます。

そして、「残業ゼロ」「定時帰り」を信条する彼女も、意外なことに仕事と心中する覚悟を見せるのです。

「福永さんのお話、とっても感銘を受けました」

ここからは私も死ぬ気でやります

周囲も驚く東山の決断。

そして、物語のラストは意外な結末を迎えます

わたし、定時で帰ります。原作小説の結末

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ここでは、原作小説の結末を記載します。

ドラマでは異なる場面も多いかもしれませんのでご注意ください。

--------------------ここからネタバレ--------------------

部長の福永がとってきた赤字案件も大詰めになり、東山は温めていた「作戦」を決行します。

それは、部下のモチベーションを下げる福永を職場から追い出し、みんなで休日出勤をして一気に仕事を終わらせることでした。

まず、同僚の来栖、そして、種田の弟・愁の協力で、福永に対して恨みを抱く元部下達より福永宛てにメールを送らせます。

その内容は、

「許さない」

「経営者の資格なし」

「責任とれ」

「賠償を求める」

「無能な上司」

上司に対して考えられるであろう、ありとあらゆる罵倒の言葉メールには並んでおり、福永は意気消沈。

最後は東山が「どうでしょう。一年か二年は、景色のいい所で温泉にでも浸かって、のんびりされては?」と話しかけ、肩の荷が下りた福永は軽快に職場を後にしてしまうのです。

そして、本番はここからでした。

東山の言葉がオフィスに響きます。

会社のために自分があるんじゃない。自分のために会社があるんです

それは東山は入社を決意した、株式会社ネットヒーローズの社長の言葉でもありました。

創業者メンバーであり元技術者である上司・石黒のサポートも受け、チーフとして周囲に休憩時間を与えながらも、順調に仕事を進めていきます。

しかし、その一方で、東山だけが周囲に内緒で休憩を取らずに24時間仕事を続けていき、案件が完成するものの、最後は倒れて病院送りになってしまいます。

仕事を終えた翌日の月曜日夜には、東山は婚約をしている諏訪との両家顔合わせが待っていました。

かつては婚約者だった同僚の種田とも同じように両家顔合わせまで進展した仲でしたが、ワーカホリックの種田は3日間連続で徹夜をして、連絡がつかずに無断欠席。

その時にいわれた「仕事が大事」という言葉がトラウマになり、東山は「残業ゼロ」を掲げていました。

しかし、自分も同じような状態になってしまうのは嫌だと、種田の協力を得て病院を抜け出し、諏訪と同棲する自宅に向かうのですが・・・

なんと自宅では、別の女性とベッドでいちゃついている諏訪の姿があったのです。

当然、両家顔合わせは中止。

最後は東山と種田で「とりあえずビールだ」と道を歩き始めるのです。

わたし、定時で帰ります。ドラマと小説の違い

現時点ではドラマは放送されていませんが、ここまでの公式発表を元にドラマと小説の違いについて深堀していきます。

愁の設定

キャスト発表後に気になった点は、愁の設定です。

TBSのわた定公式サイトでは下記の人物紹介となっています。

〇愁(しゅう)・・・桜田 通
結衣に様々な情報を提供する謎の男。

「謎の男」と記載がありますが、原作では主人公・東山結衣の元婚約者のワーカホリック、種田晃太郎の9歳年下の弟です。

愁は作中のハンドルネームであり、本名は種田柊です。

社会人2年目で周囲からのプレッシャーに耐えきれずに会社を辞めてしまい、以降は実家でひきこもっています。

原作内でも、

食事とトイレとお風呂以外、もう二年も自分の部屋から出ていない。

と驚く記載があります。

東山が種田が交際をしていた時に親しくなり、一度しか会っていないものの、作中では頻繁に連絡を取り合う関係です。

愁はネットを駆使して様々な情報を東山に提供し、物語の終盤では間接的にネットヒーローズ株式会社を助ける活躍を果たします。

そして、東山に協力をしていく中で、少しずつ、明るい自分を取り戻していくのです。

ドラマでは現時点で「謎の男」としか記載がなく、設定が不透明ですね。

考えられるのは、

①晃太郎の弟という関係を物語が進む中で明らかにしていく
②晃太郎の弟ではない第三者として登場する

のパターンのどちらかではないでしょうか。

情報解禁もこれからですので、今後もチェックしていきたいと思います。

会社関係の登場人物

原作の主要人物でありながら、現時点でドラマのキャスティングが決まっていない役もあります

●灰原忍
ネットヒーローズ株式会社の社長。30歳の時に同社を立ち上げ、業界2位まで成長させた敏腕経営者。
趣味はゴルフ。

●石黒良久(通称「グロ」)
ネットヒーローズ株式会社、管理部のゼネラルマネジャー。灰原の大学時代の後輩であり、創業からの生え抜き社員。
制作部時代の過労が原因で、大好きな砂糖の摂取時間を東山に委ねている。

●丸杉宏司
ネットヒーローズ株式会社、執行役員。制作部の福永をヘッドハンティングした。
部下の扱いが荒く、態度もでかい。
世間からの評価が上がりやすい仕事に積極に取り組み、好条件で転職を繰り返す策略家。

●三谷佳菜子
ネットヒーローズのライバル社、ベイシック・オンに勤務し、東山の恋人・諏訪の部下。
種田に淡い好意を抱いている。
スタイルがよく、種田は「巨乳」とも表現。

●東山の父
東山に仕事上でのアドバイスを送る。
現在は定年を迎え家にいることが多いが、かつては家に帰らないほど仕事を愛するモーレツ社員。

原作の物語では、上記5名は話の本線に入ってきており、ドラマで登場しても何ら不思議ではありません。

発表されていないということは、

①作中の中で徐々に明らかにしていく
②話のストーリーを大きく変えて、登場させない

のどちらかの可能性が高いです。

キャスティングの段階では明らかにされていないため、上記人物の登場の有無は原作との違いになる可能性は十分にあります。

インパール作戦

歴史に詳しい方であれば、ピンとくる単語でしょう。

インパール作戦とは?
1944年(昭和19年)3月に日本陸軍により開始され7月初旬まで継続された、援蒋ルートの遮断を戦略目的としてインド北東部の都市インパール攻略を目指した作戦のことである。

作戦に参加した殆どの日本兵が死亡したため、現在では史上最悪の作戦と呼ばれる。
(wikipedia)

3万人の日本兵が死亡した、太平洋戦争で最も無謀と言われる作戦です。

物語では東山の父が東山に対して説明をしていきます。

作戦で下された佐藤幸徳師団長の「独断の撤退命令」が、東山のチームとネットヒーローズ株式会社を窮地から救うヒントになっていくのですが、テレビでもこの単語が使われるかは難しいところです。

作戦実行の中で非常に多くの死者が出ており、遺族のことを想うと、軽い表現での扱いはできないでしょう。

また、言い方次第では、公共の電波であるテレビで「戦争から学ぶことがある」という認識を持たれてしまう可能性もあります。

原作では、東山をはじめ人物の心理描写が細かく書かれており問題にはなることはまずないです。

しかし、テレビは映像ベースとセリフの長さにも制限があり、表現方法が難しいと思われます。

この作戦が引用されるのかどうかはまだわかりませんが、されない場合は原作との大きな違いになりそうです。

わたし、定時で帰ります。まとめ

わた定の原作小説のネタバレ・結末、テレビとの違いを記載しました。

どちらにしても、非常に面白い作品であることは間違いないですね。

日本社会に蔓延する「残業文化」が、わた定で大きく変わるかもしれません。

以上となります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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