ドラマ「集団左遷」が放送され、主人公・片岡洋が支店長を務める銀行に注目が集まっています。

普通の銀行員を描いた設定舞台には、どこかモデルや元ネタが存在するのでしょうか。

原作の内容もヒントにしながら、深堀りをしてみました。

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集団左遷 モデル銀行は?

ドラマ「集団左遷」で主人公・片岡洋が支店長を務めるは、三友銀行蒲田支店です。

フィクションの銀行ですが、ネーミングからして蒲田支店の所在は東京都大田区蒲田で間違いないでしょう。

実際、この場所には数多くの銀行の蒲田支店があります。

蒲田 各銀行支店
三菱UFJ銀行
みずほ銀行
三井住友銀行
きらぼし銀行
徳島銀行
横浜銀行
ゆうちょ銀行
りそな銀行
阿波銀行
東日本銀行
中央労働金庫 
きらぼし銀行(西六郷支店)

大田区という好立地ですが、地域柄もの凄く大きい支店ではありません。

原作では「飯田橋支店」と所在は異なりますが、支店長含めて行員33名、預金残高は625億円ほど(目標は1,000億円)と都内では中規模の支店でした。

ドラマの蒲田支店の行員数までは定かでないですが、蒲田駅・飯田橋駅それぞの駅の大きさや周囲の企業数をを考えると、蒲田駅の方が小さいのでは?とも思いますね。

名前は「三井住友銀行」

名前だけのモデルを考えれば、まちがいなく「三井住友銀行」でしょう。

●三井住友(みついすみとも)

●三友(みつとも)

単純に漢字と読み方を中抜きしただけのネーミングになっています。

「スポンサーが三井住友銀行だから?」という声もありますが、実際には1992年に発売された原作小説の段階で「三友銀行」となっています。

テレビだから名前を変えたいうことはありません。

また、「三井住友銀行」がモデルというのは腑に落ちません。

なぜなら原作が発売されたのが1992年、三井住友銀行が発足したのは2001年(住友銀行とさくら銀行が合併)のため、当時は存在していないことになります。

ドラマのために大手銀行の名前を少し変更して利用したというのは、時系列的にありえないでしょう。

実務レベルなら「住友銀行」

先ほど「三井住友銀行」は時系列的にありえないとしましたが、その前身にあたる「住友銀行」であれば可能性はあります。

住友銀行は1986年に平和相互銀行を吸収合併しており、名前はそのまま「住友銀行」を採用しています。

似たような合併が多くありますが、時系列では下記の赤丸部分の統合になります。

原作でも同じように大元には三友銀行があり、大昭和信用金庫が吸収合併されています。

原作が販売された1990年前後でこのような大手銀行が吸収合併した事例はここしかなく、モデルになっている可能性もあります。

特に、当時の人事移動については、大元の住友銀行の行員は、社風や体質が異なる平和相互銀行の行員に手を焼いたともされており、原作のシチュエーションにマッチしていますね。

かなりノルマにも厳しく収益をとにかく高めることに躍起になっており、その姿勢も物語と関連する部分がありそうですね。

ロゴマークは「三菱UFJ銀行」

ロゴマークを見ると、「三菱UFJ銀行」にどことなく似ていますね。

銀行カラーも赤であり外側が非常にそっくりです。

実際の三菱UFJ銀行マークはこちら。

そして、三友銀行マークはこちら。

すでにロケ地として三友銀行の支店、本社が出来上がっており、赤色をベースにしているということは、雰囲気は三菱UFJ銀行に寄せている可能性はあります。

こちらは路面にある小さな店舗であるため、蒲田支店でしょう。

新宿のクイントビルにはドラマように「三友銀行」が出来上がっていますね!

赤をベースにしているという部分では、三菱UFJ銀行をモチーフにしている可能性は高いと思います。

なぜなら売上、資産ともに日本トップであり、ドラマ視聴者との親和性を考えれば、見慣れた赤色を使うのは良い狙いでしょう。

●2018年 銀行業売上高ランキング

 順位
銀行金額
1三菱UFJ FG6兆680億6100万円
2三井住友 FG5兆7641億7200万円
3みずほ FG3兆5611億2500万円
(引用:www.stockclip.net)

●2018年 銀行業 総資産 ランキング

 順位
銀行金額
1三菱UFJ FG306兆9374億1500万円
2ゆうちょ銀行210兆6298億2100万円
3みずほ FG205兆283億円
(引用:www.stockclip.net)

原作だと「三井銀行」

原作の内容に触れると、「三友銀行」は三友銀行が大昭和信用金庫と合併している設定です。

(そして、作中では三友出身の片岡が、やる気のない大昭和信用金庫系の社員とともに支店を立て直します)

原作出版が1992年であるため、その時系列以前に合併がり、ネームバリューがある銀行は一つしかありません。

三井銀行です。

三井銀行は財閥系であり、現在の三井住友銀行の「三井」に使われていますね。

時系列を説明すると、1990年に三井銀行は太陽神戸銀行と対等合併し、太陽神戸三井銀行を発足させています。

その太陽神戸三井銀行が「さくら銀行」と名称を変え、住友銀行と合併して、三井住友銀行が誕生したのです。

時系列的にも出版前の時期とぴったりであり、ともに漢字の「」が使われています。

ドラマとは少しかけ離れていますが、原作では三井銀行の可能性が高いですね。

原作者の江波戸哲夫も三井銀行の行員を経て作家になっており、当時の様子をうまく用いて書いている可能性がありますね!

集団左遷 ドラマのモデル銀行はみずほ銀行が最有力!

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しかし、原作とドラマは異なるもので、ドラマでは時代背景も原作とは異なり、全く別の三友銀行となっています。

公式ホームページに下記の年表が記載されていましたね。

三友銀行の歴史を見ていきましょう。

1873年に友沢興一という人物が日本で初の銀行 「第一友業銀行(のちの昭和友業銀行)」を設立したと記載されています。

この友沢興一のモデルは次の1万円札の肖像になる渋沢栄一でまちがいないでしょう。

つまり、第一友業銀行のモデルは、渋沢栄一がつくった第一国立銀行(のちの第一勧業銀行)と推測できます。

1968年には「昭和友業銀行(元第一友業銀行」、「三田山麓銀行」、「第一興業銀行」が合併し、商号を「三友銀行」となります。

福山さん演じる片岡支店長が所属する「三友銀行」は1968年から世に出ている設定のようです。

この昭和友業銀行(元第一友業銀行)のモデルは先ほどの通り第一勧業銀行(元第一国立銀行)で、三田山麓銀行のモデルは富士銀行第一興業銀行のモデルは日本興業銀行であることが考えられます。

そしてこの三つ銀行ののモデルである第一勧業、銀行富士銀行、日本興業銀行が合併し現在あるのが、現在の「みずほ銀行」です。

(正確に説明すると、2002年の合併時にできたのはみずほ銀行とみずほコーポレート銀行で、2013年に両銀行が合併し現在のみずほ銀行となります)

ドラマ「集団左遷」銀行モデルまとめ
・三友銀行:みずほ銀行

・第一友業銀行:第一国立銀行

・昭和友業銀行(元第一友業銀行):第一勧業銀行(元第一国立銀行)

・三田山麓銀行:富士銀行

・第一興業銀行:日本興業銀行

集団左遷 元ネタ・実話は?

原作はバブル崩壊後

原作とドラマでは舞台設定が大きく異なるため、注意が必要です。

原作「銀行支店長」が発売されたのが1992年9月。

1991年に入り日本のバブルが崩壊して、貸付先が見当たらず、不動産の不良債権化など銀行にとっても苦しい時代でした。

銀行も数多く合併されており、原作と同じ時代だと、以下のような銀行の合併がおこなわれています。

●1990年(平成2年)
太陽神戸銀行+三井銀行 ⇨ 太陽神戸三井銀行

●1991年(平成3年)
協和銀行+埼玉銀行 ⇨ 協和埼玉銀行

「太陽神戸銀行+三井銀行 ⇨ 太陽神戸三井銀行」の話は前述のとおりです。

作中では、次長の真山徹が「飯田橋は成熟市場」と話しており、成績を伸ばすのに苦労しているシーンが多々あります。

支店成績も目標の6割とかなり厳しい状態であり、当日の時代背景は大きく参考にされていると思います。

ドラマの元ネタは?

ドラマの元ネタや実話に関しては、おそらくは、完全にフィクションでしょう。

銀行内部の話はリアリティを持たせるために監修が入ると思いますが、具体的な話をドラマに流用するというのはないと思います。

理由は、

・原作とは時系列が離れており、参考になる話はない

・蒲田支店規模の大きさで廃店になるのはありえない

・金融庁の管轄のため内部のネタバレはできない

というのがあげられます。

特に蒲田ほどの大きさの支店が廃店なるのは現実的に考えつかず、具体的な元ネタはない思います。

架空の銀行ですが、すでに「顧客」は存在しており、Twitter上では口座開設したいという声もあがっています。

まとめ

ドラマ「集団左遷」のモデルの銀行を調査してみました。

ネーミングは原作ベースだと「三井銀行」(今の三井住友銀行)。

ロゴやカラーなどの外観は「三菱UFJ銀行」の可能性が高いですね。

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